こんな奇妙で面白い文章を書く人がいたのかと今頃驚いた。
春樹と似てるか、と思ったりもするけど、春樹よりまだ読み応えは柔らかく軽い、
奇怪だけど、ブラックまで落ち込むわけでもなく
皮肉も含むけどそれを見つけるころには物語は次のステージにするっと移行していく
そして科学的思考をもった登場人物はきっと作者の脳内のそのままの投影なんだろうな、と読んでいて感じる。
科学と活字、文と理、空想と具象はどこかでにじむようにつながっていくのかという感触。
私の好きなタイプの文章だった。
こういうものを現代文学のなかでも海外小説に見つけたりするけれど
逆をいうと日本文学にはもうないのかもな、と思ってしまった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年7月3日
- 読了日 : 2012年7月3日
- 本棚登録日 : 2012年6月4日
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