現代思想の遭難者たち 増補版

  • 講談社 (2006年6月21日発売)
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本棚登録 : 137
感想 : 15
5

これは驚くべき本だ。

これまで、哲学とか、現代思想みたいなものは、なんとなく興味をもった本をランダムに読んできた。解説書もあまり読まずに、できるだけ原典(当然翻訳もの)から読むようにしてきた。

というところで、本屋の現代思想のコーナーで、この本を見つけたので、気晴らしに読んでみた。

が、実に深い。
哲学者の主張のポイントと哲学者の間の類似と相違点が実によく分かる。これまでほとんど興味の無かった人が、実は自分の関心に近い所にいたんだと発見したり。違う思想だと思っていたのが、結構、似ているところがあったり。「現代思想」に共通する問題意識に気付いたり。

いわゆる「マンガで分かる哲学」みたいな本を遥かに超えている。いしいさんの頭のなかって、一体、どうなってんの?

難点は、字が小さい事。手書きの字なので、老眼が進む私には、一段と読みにくい。

そういえば、サルトルとか、それにつながる実存主義系の哲学者はでてきませんね。マルクスやフロイト、ニーチェはいまだに現代思想だが、実存主義はもはや現代思想ではないということか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年5月2日
読了日 : 2009年3月3日
本棚登録日 : 2017年5月2日

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