現象学という思考: 〈自明なもの〉の知へ (筑摩選書 106)

著者 :
  • 筑摩書房 (2014年12月11日発売)
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感想 : 13
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20世紀以降の哲学を学ぶにあたっては、現象学をしらないと始まらないのだが、これが苦手で、フッサールとか1パラグラフもわからない。解説書を読んでも、最初のほうはわかるのだが、だいたい20〜30ページ読んだところでギブアップしていまうことが多い。(それでも、残りをざっと速読するのだけど)

そんな感じで、現象学には、なんか問題意識というか、思考の方向性が合わないという感じがあった。

そういうなかで、最後の期待(?)をかけて、読んでみた。

基本、フッサールの現象学をベースに説明していくわけだが、かならずしもフッサール用語をつかわず、フッサールの説明方法とは違う組み立てをしながら、現象学とはなにかに迫っていく。

出だしはわかりやすい。が、やっぱ数十ページよんだところで、だんだんついていけなくなる。

あ、やっぱまたか〜とあきらめかけたところで、話が、類型、自我、間主観性というところになって、急になにを問題にしているかが見え始める。問題に対する現象学の答えはわかるわけでないが、すくなくとも何を問題としているかがわかり、その問題が自分の問題意識と近いことがわかると俄然おもしろくなる。

現象学は、組織開発とかにも影響を与えているのだが、その接続点のようなものが見えつつあるかも。

この本をもう少し丁寧に読んでいくと、現象学にわたしなりに近づけるかも?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月31日
読了日 : 2021年12月31日
本棚登録日 : 2021年12月31日

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