タイトルは「イスラエルとユダヤ人」ではなく、「イスラエル vs. ユダヤ人」。
イスラエルの社会が、いかに全体主義的、人種主義的に変質し、もはやナチス・ドイツ的なものになっているかということがよくわかる。
この変化は、これまでイスラエルを支持してきたユダヤ人にとっても望ましいものではなく、イスラエルにとっても望ましいものではなくなっている。
という感じの本。細かい記述はわからないというか、めんどくさい部分もあるが、説得力のある議論だと思う。
ただ、著者が主張するほど、アメリカのユダヤ人がイスラエルから離れようとしているかは、わからない感じ。
1960年代の初めにハンナ・アーレントがアイヒマン裁判について書き、イスラエルに対して批判的というか、皮肉まじりの本を出した時、彼女はユダヤ人の友人を全て失ったという。
それから50年くらいたって、ジュディス・バトラーが、イスラエルと距離を置いた時にも、ユダヤ人社会から相当のバッシングを受けたようで、まだまだユダヤ人とイスラエルとの関係はそこまで対立的になっているとは言えない気がする。
それは、選挙において、親イスラエルなスタンスを取らないと、当選できないという状況からしても、そうなんじゃないかと思う。(選挙に関係するほど、イスラエルを支持しているのは、ユダヤ人というより、キリスト教福音派のようだが。)
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- 感想投稿日 : 2024年1月22日
- 読了日 : 2024年1月22日
- 本棚登録日 : 2024年1月22日
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