異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社 (2019年12月19日発売)
3.68
  • (23)
  • (45)
  • (61)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 551
感想 : 39
4

シリーズ6作目。ついに千景の誘拐事件の真相が明らかになる。
千景のもとに届いた不審な手紙と、見たら呪われるという心霊スポットに描かれた絵。調査を始めた千景と透磨の前に、千景の過去を知る人物が現れる。

誘拐事件の時に千景と出会ったという真柴。特殊な能力を持つために周囲に理解されず、同じように孤独を感じて生きてきた2人だけど、選んだ道は正反対のもの。その違いは千景には愛してくれる祖父母や信頼できるキューブの仲間がいたのに対し、真柴にはその力を利用しようとする人間しかいなかったからか。
自分が図像術を描き、人を傷つけたかも知れないという思いに慄きながらも、透磨を守るために過去と向き合おうとする千景はシリーズ当初とは別人のようにしなやかな強さを身に付けている。

誘拐事件の真相が明らかになり、千景の記憶も戻り、2人の関係にも変化が訪れたので、これでシリーズ完結でもいい気はするけれど、まだ続くのかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・谷瑞恵
感想投稿日 : 2020年12月12日
読了日 : 2020年12月12日
本棚登録日 : 2020年12月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする