物語は神戸で起きた一家四人惨殺事件を軸に展開する。
この作者さん、以前『廃用身』を途中で挫折したから心配したけど、今作は面白くて一気読み。ラスト一行でモヤモヤしてたら、続編が出てるらしい。納得。
基本的には刑法三十九条がテーマ。弱者である精神障害者を守るための法ではあるけれど、遺族としては納得できるものではないし、それを悪用する人間も多い。
今さら感のあるテーマながら、外見に表れた徴候から病気を見抜くことができる医師という設定が面白い。同じく天才的な診断力をもちながら、まったく別の道を進む二人の医師。先が見えてしまうからこその苦悩が少し切ない。
現役医師という作者さんらしく、遺体の状況や手術、解剖シーンはかなり詳細でリアル。苦手な方はご注意を。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・その他
- 感想投稿日 : 2015年8月26日
- 読了日 : 2015年8月26日
- 本棚登録日 : 2015年8月24日
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