現愛媛県の西条市と今治氏の間にある小松という地域に1万石の小大名(城もなく人口約1万人、武士60人、足軽40人の小さな所帯)として250年間存続した藩の会所日記(役場の公的記録)を読み解き、各項目に分けて分かりやすく解説してくれています。特に藩の窮状から藩札を発行して負のスパイラスに入ってしまったりとか、領民の生活にまで踏み込んだ記載があったりとか、幕末には幕府から海防命令に苦慮したり、新政府からは旧幕討伐のために越後に派兵(とは言っても数十人)したり。水戸や紀州、加賀や薩摩・長州の大藩とは違い、大きな事件は全くなかったものの、一万石の小大名などはいわゆる歴史書などには殆ど取り上げられないけど、こんな生活を250年もしていた人たちが沢山いたんだろうな思わせる一冊です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
江戸文化
- 感想投稿日 : 2014年8月22日
- 読了日 : 2014年8月21日
- 本棚登録日 : 2014年8月21日
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