最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓

  • 東洋経済新報社 (2016年7月29日発売)
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<どんな本?一言で紹介>
学歴や頭のIQと、仕事能力は関係ない! 「仕事のIQ」を高めるための、スキル・習慣・考え方を知れる本。

<どんな人におすすめ?>
プロフェッショナルになるための習慣や考え方を知りたい人。
一流が続けている「ビジネスパーソンとしての基本」を知りたい人。
仕事にやる気が起こらない人。

<読んだら、どんなことが分かるの?>
世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ「最重要スキル+習慣+考え方」77か条。

・【メモのとり方】漏れのないピラミッド構造は「論理的思考能力」の証し
・【資料づくり】「一枚、一行、一言で要約できない資料」は不要
・【会話術】声は人格を表す――「いい声とアクティブリスニング」を忘れない
・【プレゼン】MECE,フレームワークに鉄拳制裁を! 最後は読み手の好み次第
・【ストレス対策】「心のストレス積立金」を積んで、やり過ごせ
・【仕事の心構え】雑学ではなく、哲学のある仕事をせよ
・【レガシー】あなたが会社を去っても、会社に残るものは何か?
・【信頼を大切にする】信頼の貯金をせよ――短期の利益より、長期の信頼
・【部下を伸ばす】部下の市場価値を高め、自己実現を支援せよ
・【自己実現】「勝てる分野」で勝負し、やりたいことは1つに絞らない
・【エリートトラップ】他人軸ではなく、絶対的な自分軸で判断

<日々の生活、仕事などに活かせるポイント>
1.「寿司の代金は、寿司屋の哲学に払う」
プロフェッショナルは「最高水準の仕事へのこだわり」を持ち、その対価としてお金をいただく。たとえば、老舗の寿司屋は特別な土鍋でシャリを炊き上げ、特別な赤酢を使う。こうしたこだわりは、効率性だけを追求していては生まれない。手間暇をかけている高級寿司屋にやってくる顧客は、「寿司の代金」ではなく、いわば「寿司屋の哲学」にお金を払っているのだ。

私たちは、こだわりのある寿司屋のように、「オリジナルの徹底したこだわりを持った仕事ができているか?」を自問しなければならない。一流の仕事をするために、どのような哲学を持ち、それによって顧客にどんな利益をもたらしているのか。今一度考えてみよう。そうすれば、たとえライバルと同じ商品、サービスだとしても、オリジナルの美学・哲学から生まれた「一流のこだわり」によって、高い評価を受ける可能性が高まるはずだ。


2.一流は基本に忠実
一流のプロフェッショナルは、どんなに高速でメモをとっていても、内容を理論整然としたピラミッド構造にまとめている。彼らは相手の伝えたい本質をすぐさま理解し、情報を引き出す道具としてメモを活用する。たとえば、論理的な説明を求められるコンサルタントは、物事を整理する能力が高いため、構造化したメモ書きを得意とする人が多い。

また、構造化されたメモは、そのままミーティングメモやパワーポイントのスライドに転換できる。こうして、メモ書きしているミーティングの時間を有効活用できるのだ。

メールは即リプライ。「たかだかメールの返事のスピードくらい」、と思ってはならない。これは一事が万事。「いまできる仕事はすぐ片づける」習慣の有無が、メールの返信速度ひとつに反映されるのだ。メールの返信速度が遅い人は、仕事の進捗もたいてい遅く、デッドラインも破りがちで、どんな仕事でも結局後回しにする習性があるものである。集中力や責任感があり、重要な仕事を任され、相手の気持ちを汲んで仕事ができている人は、総じてメールのスピードも速い。そして実際の話、メール一本でその他多くの仕事能力が想像されてしまう。

「整理能力」と仕事の生産性は、大いに連動する。整理整頓ができるかどうかは、調査能力に大いに影響する。また、自分のみならず周囲の仕事の生産性も大きく左右するということだ。資料やファイルがきちんと整理されていれば他人に引き継ぐのも容易で、質問をされてもすぐに対処できる。その結果、あなたに関わるすべての人が「資料やファイルがどこにあるかを探す」という非生産的な時間を使わなくて済むので、チーム全体でエネルギーを節約でき、生産性が格段に向上する。きちんと整理することは、他人の勤務時間中の「戦略的時間比率」(重要な真の仕事に使われる勤務時間の比率)を高め、自分、他人、会社すべての生産性を高めるのである。

「タイムアロケーション(時間配分)」こそが超一流のプロの基本。
「ムーギーは『いまなぜここにいて、これをしているのだろう?』と常に自問しなければいけないよ」。これは私の尊敬する昔の上司が、私にプロフェッショナルの心得を話すときによく言っていたことである。その方が仕事術の基本を話されたとき、「タイムアロケーション(時間配分)こそが超一流のプロの基本だ」とおっしゃっていた。
 どれほど賢くどれほど優秀でも、与えられた時間は同じなだけに、その最適な配分が勝負の分け目となる。優秀な人が高い集中力でしのぎを削る業界にいると、限られた時間をどう使っているか、その優先順位づけと時間配分が仕事の差を決定するのだ。

3.日々の仕事で「エキストラ・ワンマイル」を行く
「あなたは自分の仕事で『エキストラ・ワンマイル』を行ったか?」。これは著者が働いてきた複数のプロフェッショナルファーム(コンサルティングファームや金融機関)で、評定のときに必ず入っていた一文。「エキストラ・ワンマイル」というのは、職場でよく使われていた用語で、「普通の人がやるであろう努力の一歩先を行く努力をしたかどうか」「自分の限界を超える圧倒的努力をしているか」という姿勢が問われているのだ。

<感想>
耳が痛い、痛すぎる。同時に、気が引き締まったので、読んでよかった一冊。

他に気になったのは、「原体験」について。「働く上で強烈なエネルギーを掻き立てる」というのは事実だが、まずは自分の過去から「原体験」を錬成しなければならず、ポジティブに持っていく言語化が必要で、不十分だったり途中のままにして「過去」の主観が強調されたネガティブなままにしてしまうと、逆に足を取られてしまう。あ、一流はそんな境地にはいないか。まず身につけるものは、基本の習慣や、思考力だろうか。

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感想投稿日 : 2020年4月3日
本棚登録日 : 2020年4月3日

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