劇作家の人が書くエッセイというのは、昔から趣があって面白いなぁと思っていたけれども、宮沢章夫さんのこのエッセイは、そういう「劇作家系エッセイ」の系譜の中でも最新にして完成形ではないかしら、と思うくらいの出来だった。
どの辺りが面白いのかというと、まず「しょうもない」ということ。そして「文章が上手い」ということ。この二点は日本の演劇界の2大スパイスじゃないかと思う。「しょうもない」ことをいかに楽しく読ませるかが血肉となっている人の文章というのは、なかなかに味わいがあるものだ。
で、今作は文庫本を購入しました。エッセイは文庫本に限ると思う。価値的にもそれが身の丈にも合っているし、お得感もある。表題にもある「考えない」の一連のエッセイはとにかく面白い。仕事に疲れて「何かに共感したい」と思うときに読むと良いかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2012年8月19日
- 読了日 : 2012年8月19日
- 本棚登録日 : 2012年8月19日
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