2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

  • 文藝春秋 (2012年8月3日発売)
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イギリスの有名な経済誌『エコノミスト』が2050年を予測する。内容は、国際関係から科学・文化にいたるまで幅広い。2050年までの台風の目は衆目の一致するところ中国であり、台頭するアフリカであり、世界は貧富の差を縮めていき、アメリカ絶対優位の図式も崩れていくだろう……と予測している。


一つ一つを読むのは骨が折れるけれども、章ごとにまとめが用意されているので、疲れたらそれを読んでもいいかも。さて、日本はどうかというと、2050年には超高齢化社会になっていて、経済的にも停滞、中国との差が拡大していき国際的な存在感を失っていく……という感じ。ちょっと世の中に詳しい人であるなら、そういう見通しは水晶玉を観るよりも簡単だと思う。


でも、この本の最後にマット・リドレー(この人が書いた『繁栄』は超面白かった)が書いているように「予測は外れる」わけだし、そういう意味において、没落する日本という未来は回避が約束されているのではないかな……と思うわけなのだ。もちろん、マット・リドレーが言うように、「レールの上で向かってくる列車を呆然と観ていたらそうなる」わけだから、日本は率先して変化の荒波に立ち向かう必要があるのだけれど。


世の中の潮流を総合的に知りたい人にオススメ。でも、エコノミスト誌だけあって、文章は超硬い。読み慣れない人はかなり苦労するだろうと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2012年9月5日
読了日 : 2012年9月5日
本棚登録日 : 2012年9月5日

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