人魚姫のハイヒール (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館 (2016年4月9日発売)
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本棚登録 : 159
感想 : 15
4

一行で纏めると
受けの瀬戸が如何に美しくてカッコよくて可愛いかっていう話でした。
前半の瀬戸視点でも後半の加賀谷視点でもそうとしか取れないっていうのはどういうことだ。

前半と後半を2日に分けて読んだのですが
前半を読了した時点では瀬戸の健気さばかりが目について
正直『何でこんな男(失礼)に惚れてるんだ』って釈然としない気持ちでした。
彼女ではないひとにルブタンをサラッとプレゼントできちゃう辺り、
一般的にはスパダリに分類されるんだとしてもな。

だがしかし、後半の出だしのモノローグ(夢?)で
加賀谷の気持ちががっつり明かされていて
印象がガラッと変わりました。
瀬戸のことを可愛い可愛い連発してるところなんて
犬も食わない感じでニヤニヤしちゃいました。
ちょっと変態入ってますけどね加賀谷って(爆)。
結局のところ途中なんだかんだあってもお互いしっかり想いあってる体で話が終わり、
毎度のことながら空気投げを喰らったような気がしてます。

狙って書いてるのかわからないけど
お互いがお互いを想い合うことで影響を受け合って成長する図式が
安西リカ作品を読む上でのカタルシスだと個人的に思っているのですが
今作も結果的にはそのパターンをしっかり踏襲していて
読み終わってちょっと震えました(大袈裟)。
でもって安西先生はHなシーンを挟み込む匙加減が絶妙で
しかもさらっとがっつりエロいので油断ならない(爆)。
こういう言い方は上からな気がしてアレなんですが
旨い書き手さんだなぁと読むたびに思います。
ぶっちゃけ今作は読み始めはちょっとどうかなと思ったのですが
最後にはやっぱりノックアウトされました。
これだけ作風が幅広くて殆どハズレがないってスゴいことだと思います。

ひとつだけいうと
加賀谷があんなにモテる理由がどうしても理解できなかったので
(あっ外面はスパダリだからか)
その分★が減っちゃいましたごめんなさい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL小説
感想投稿日 : 2020年9月15日
読了日 : 2017年12月4日
本棚登録日 : 2017年12月4日

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