皇后の真実

著者 :
  • 幻冬舎 (2015年10月8日発売)
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感想 : 6
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日本の女性とはなにか、「ではなく」、日本人とは何かを体現される皇后陛下。

かような人間でありたい。素直にそう思わせる皇后陛下の人間性はもちろん、それを見事に描き切った著者の能力も際立ちます。

【本書抜粋 美智子皇后】
古代ではない現代に、海を静めるためや、洪水を防ぐために、一人の人間の生命が求められるとは、まず考えられないことです。ですから、人身御供というそのことを、私が恐れるはずはありません。しかし、弟橘の物語には、何かもっと現代にも通じる象徴性があるように感じられ、そのことが私を息苦しくさせていました。

今思うと、それは愛というものが、時として過酷な形をとるものなのかも知れないという、やはり先に述べた愛と犠牲の不可分性への、恐れであり、畏怖であったように思います。
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 22:民族・国家(日本)
感想投稿日 : 2016年4月2日
読了日 : 2016年4月2日
本棚登録日 : 2015年10月8日

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