柚子の花咲く (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2013年10月8日発売)
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本棚登録 : 444
感想 : 36
4

とっても良かった!
時代物ミステリー+武士の生き様といった大好きなテーマ。

ストーリとしては、
村塾の教師の梶与五郎の遺骸が発見されます。
その教え子である日坂藩士の筒井恭平と穴見孫六は与五郎が殺された真相を追う事になります。
与五郎の死の裏側には鵜ノ島藩との干拓地にまつわる覚書にあるとみて、その覚書を探すのと同時に、その死の真相に迫ります。
そのさなか、孫六も殺されてしまう事に。
覚書は誰が持っているのか?
誰が殺したのか?
その死の真相は?

このミステリー仕立てのストーリ展開に加え、恭平をはじめ、与五郎の教え子達の心の絆が語られます。
与五郎が子供達に伝えたかったこと。
当時の子供たちの想い、青春、そして、生き様。

結果、徐々に明らかになる様々な謎、さらにそこに秘められた悲哀。とっても良いです。

また、主人公である恭平が面白い。
時代劇によく出てくる格好よく寡黙な剣豪というわけでなく、どちらかというとドジキャラ。
鵜ノ島藩に潜入しては、命からがら脱出してきます。

そんな恭平ですが、最後はビシっとしめてくれるところも素晴らしい。

桃栗三年柿八年、柚子は九年で花が咲く。

とってもお勧め!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2019年7月6日
読了日 : 2019年7月6日
本棚登録日 : 2019年7月6日

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