第52回江戸川乱歩賞受賞作。
なので、バリバリのミステリーと思っていたら、シベリア抑留から始まる重いストーリでした。
ダモイは帰郷のこと。なので、東京ダモイはシベリア抑留者達が日本へ帰郷することでした。
本書で描かれる極寒の地での抑留生活が辛い。
昨年、「ラーゲリより愛を込めて」の映画を見ましたが、本書で描かれる内容はそれをはるかに超える凄惨さでした。
ストーリとしては、
シベリア抑留経験者の高津はその経験を一冊の句集として自費出版しようとしていました。
そんな中、舞鶴港で発見されたロシア人女性の遺体。
同時に、高津も行方不明に。
自費出版会社の担当者槙野はその行方を追うことに。
さらに警察もその行方を追います。
ロシア人女性を殺害したのは高津なのか?
その句集の中には、60年前のシベリアのラーゲリで起きた日本人将校の斬首事件のカギとなる記述が。
句集の中の謎解きが始まります。
日本人将校を殺害したのは誰なのか?
高津の句集に描かれたラーゲリの生活の様子がリアルで辛い。
そして、高津が句集を通して訴えたかったものとは。
句集から60年前の事件の真相を明らかにするところが斬新。
お勧めです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2024年3月17日
- 読了日 : 2024年3月17日
- 本棚登録日 : 2024年3月17日
みんなの感想をみる