面白かった!
災害パニックエンターテイメント小説!
富士山噴火時のパニックとその救助活動のヒューマンスペクタクル!
この手の小説大好きです。
後半のスピード感の中で、これはあり得ないって思うところが多々ありますが、そこはエンターテイメントと割り切り、最後のヒューマンドラマに涙するハリウッド映画さながらのハラハラドキドキの物語です。
主人公は、3年前の南海トラフ大災害で妻と息子を失った元自衛隊ヘリパイロットの新居見。その娘はかろうじて生き残りますが、その事件を境に娘とは絶縁状態になり、新居見は自衛隊をやめることに。
家族を救助する前に目の前の国民を救助するのが自衛隊。辛い。
そんな新居見は今は老人ホームの管理人をしていますが、ある日、富士山の噴火が近いことを旧友の記者から聞かされます。
さらに火山学者から、その噴火の規模がかなり大きく、未曾有の災害になる事を理解します。
富士山の噴火の前に、老人ホームの人たちを、そして、御殿場市の住民を避難させることが出来るのか?
そして、市長や警察、消防、自衛隊とともに、住民避難の指揮を任されることに。
噴火予知を信じる者・信じない者のギャップ。
そして、いざ、噴火となった時の人々のパニック。
さらに火山灰、火砕流、溶岩流、噴石、とさまざまな事象が発生していくなかでの避難活動!
それぞれの人たちがそれぞれの使命を果たしていく姿は心が熱くなります。
そんな中、医師となった娘は、災害現場での医療活動を通じて、父親の当時の自衛隊での信頼ぶりや今のホームでの信頼ぶりを目の当たりにします。父親の本当の姿を理解していきます。
さらに、娘の婚約者を救いにヘリコプタで噴火している富士山に向かう父親。
婚約者だけでなく、あちこちの住民をヘリで救助していく新居見。
そして、噴石が飛び交う中、最後の救助に向かいます。
無事救助できるのか?間に合うのか?
ハッピーエンドなのか、哀しい結末で終わるのか?手に汗握って、読み進めることになります。
後半の救助活動の中では、いまや民間人の主人公が当時の部下の自衛隊員を指揮したり、自衛隊のヘリコプタを操縦したり、さらには、勝手にヘリコプタを操縦したりと、あり得ない事がありますが、エンターテイメントとして割り切って、最後のシーンに臨みましょう。
ハラハラドキドキ、そして、父娘の絆を感じられる物語です。
とってもお勧め!
- 感想投稿日 : 2018年12月30日
- 読了日 : 2018年12月30日
- 本棚登録日 : 2018年12月30日
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