ファシリテーションを通じて組織改革を行う物語。
とても面白かったです。
ファシリテーターは会議を効率よくまわす人と思っていました。本書ではファシリテーションスキルを活用し、人を動かし、組織改革を行う物語となっています。
前半は製品開発センターの組織改革、そして物語の後半は会社の組織改革といった構成です。
物語的に面白いのは、主人公の女性が会社の組織改革のファシリテーションで十分な結果を出せないこと。順風満帆にいかないところがリアルさをかもし出しています。そんなところから、スキルが云々ということではなく、まさに自分がその組織の中で会議や組織改革に参加してるリアル感を感じられます。
組織改革というと日産の話を思い出します。そのときの話は、クロスファンクションチームCFTを作ってとかいった何をしたというWHATがメインな感じがしますが、本書では、それをどのように導き出したかといったHOWの部分が語られているイメージです。
ファシリタティブなリーダシップを発揮して、どのようにして人を動機付け、問題を見える化し、行動に落としこんでいくか、そしてそれを続けるかということが、物語を通して、わかりやすく具体的に書かれています。
なので、この物語で最終的に導き出されている改革のアイデアは正直いまいちな感じがしますが(笑)、それを導き出す過程がとても参考になります。
本書ではファシリテーション含めて、さまざまなスキルが出てきます。残念ながらすべて覚えきれません..(笑)。216ページにファシリテーションの道具箱としてまとめられています。
しかし、所詮はツール。そのツールを使ってどうするかがポイント。そのツールを使ってアウトプットを出すことが重要です。それをファシリタティブなリーダとして、定義しています。
ぐいぐい引っ張っていくようなリーダをディレクティブリーダ、意見を引き出し、よく聴き、触発してチームを引っ張っていくリーダをファシリタティブリーダとしています。
ファシリタティブリーダ、あこがれます。格好いい!
#いや、主人公が女性だから影響を受けているわけじゃなくて
とてもお勧め。
- 感想投稿日 : 2016年3月19日
- 読了日 : 2016年3月19日
- 本棚登録日 : 2016年3月19日
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