偉大な企業が衰退していった段階を分析しています。
厚い本ですが、半分は付録と原注です。付録には、衰退していった各企業のどこがまずかったのかを5原則ごとに分類して記載されています。
また、衰退したけど、回復した企業(IBMなど)も記載されていて、付録は付録で面白いです。
本書の雰囲気としては、今までの振り返りも含めて、まとめの1冊という位置づけかなと思います。
さて衰退の5段階とは
第1段階 成功から生まれる傲慢
第2段階 規律なき拡大路線
第3段階 リスクの問題の否認
第4段階 一発逆転策の追求
第5段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
です。
偉大な企業であり続けるのは難しいんだなぁっていうのが正直な感想。
あと、知っている企業が少ないので、これほど、細かく分析されても、なるほどってならないのが残念。(正直、対岸の火事となってしまう)
とはいうものの、弊社がまさに、いま、この段階に突入しているのか、いないのか。もっというと事業部がこの段階に突入しているのか、いないのか、がとても不安。
よく、成功体験に胡坐をかかず、「正常な危機感、危機意識をもて」といいますが、結局は成功体験をベースに危機感を持っているような気がしています。結果、傲慢につながるのではと思います。
さて、気になったところは
「規律なき拡大路線」
企業を成長させるために拡大路線をとるのは当然。しかし、その当事者、その渦の中にある人が、いま、やっているその拡大路線が、規律なき拡大路線なのか規律ある拡大路線なのかを性格に判断できるのだろうか?と疑問が残ります。結局、結果論になってしまうのでは?って思うところもあります。
「一発逆転策の追求」
これはそのとおりだろうなって思います。前作にも書かれていますが、やはり、銀の弾丸なるものは存在しないと思います。弾み車を押し続けるとか、こつこつ、やり続けることが必要なのかと思います。
とはいえ、この段階まですすんでしまえば、一発逆転狙うのもわかりますよね。
最後に
ビジョナリカンパニーシリーズはこれで、一通り決着かと思いますが、また5年ぐらいすると、またいくつかの企業が衰退から復活したりするので、
「ビジョナリカンパニー4 復活の4原則」
とか出たりして;-P
- 感想投稿日 : 2011年2月13日
- 読了日 : 2011年1月15日
- 本棚登録日 : 2011年2月12日
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