教育は遺伝に勝てるか? (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版 (2023年7月13日発売)
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一卵性双生児(ほぼ100%遺伝子が同じ)と二卵性双生児(遺伝子は50%同じ)
さらに一緒に育ったふたご、別々に育ったふたごの組み合わせで様々な項目に関して比較調査する。

身体、知能(IQ)、性格、依存症、病気など、ほとんどは遺伝子で決まる。
遺伝子がどのように発現するのかはランダム
子どもの身長は親の身長を中心に分布する(正規分布?)。
そのため身長の高い親から身長の低い子どもが産まれることもあれば逆もある。
確率的には、親の身長が高ければ子どもの身長も高い。知能なども同様。

育児書では、親が子どもに「勉強しなさい」と言わない方が良いとあるが、これは因果関係が逆
親が「勉強しなさい」と言うことを我慢すると成績が上がるのでなく、そもそも成績が良いので、親はわざわざ「勉強しなさい」と言わない。
遺伝的に同程度であれば「勉強しなさい」と言われている子供の方が成績は良い。

また、たたいたりしないと言うのも同じ。
虐待までいくとダメだが、しつけの範囲内で「しつけ」をされている子どもの方が成績は良い。

ただし、親が期待するほど子どもは影響を受けない。
過度の教育で親も子どもも疲弊するよりは、子どもへの投資は最小限にして、自分の人生を充実させる方にエネルギーを注いだ方が良い。
人生を楽しんでいる親を見ている方が、子どもにとっても幸せだろう。
家庭環境の影響など、遺伝子が与える影響と比較したら微々たるものなのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年9月10日
読了日 : 2023年9月1日
本棚登録日 : 2023年7月15日

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