キリスト教成立の謎を解く: 改竄された新約聖書

  • 柏書房 (2010年9月1日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 7
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聖書自体、ほとんど読んだことはなかったが、それでもその成り立ちについて学術的かつ中立的に説明が書かれており、勉強になる。
聖書の矛盾点、成立にかかわる諸説が整理されているので、内容を理解するのに役立つと思うが、そもそも聖書自体に興味がない人にはチンプンカンプン。キリスト教信者にとっては聖書を否定されたような気になってしまい、拒絶反応が出るのではないかとも思う。そういう意味では、かなりニッチな読者層向けと言える。
本気でキリスト教を信じている人たちが、本書を読んだときにどのように思うのだろうか?否定、拒絶、矛盾、容認…いろいろな感情が想像される。
聖書に限らず、あらゆる宗教のよりどころとされている各種の書物(仏教の経典とか)についても、このように冷静な視点から分析されているものが出てくれば良いのにと思う。
そういった意味では、キリスト教の奥深さ、強さがあるのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文・思想
感想投稿日 : 2021年1月10日
読了日 : 2020年12月12日
本棚登録日 : 2020年11月22日

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