長恨歌 不夜城完結編 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2008年7月24日発売)
3.39
  • (29)
  • (58)
  • (106)
  • (14)
  • (9)
本棚登録 : 657
感想 : 48
3



シリーズ三作目完結。

90年代の歌舞伎町の裏社会を舞台にした不夜城シリーズの完結編。

歌舞伎町の闇を治めていた台湾人から、日本人と台湾人の半々へ王位は譲られ、いや、奪われる。

そして、本作で登場する主人公は中国残留孤児二世。

死することが唯一の救い。

シリーズ全てを通して見え隠れするテーマ「救済」
今際の際で懇願する、神や仏への祈りも何も救いにはならない。万人に共通する救いは死ぬことのみだと。

昭和から平成にかけた歌舞伎町の中国人闇社会。
歴史を紐解けば、戦前のある掟から現在に繋がる。

闇の底辺で生きるものの声がリアルさを感じさせる。

シリーズ終わってしまったか。
続けようと思えば続けられる終わり方ではあるが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月24日
読了日 : 2022年12月24日
本棚登録日 : 2022年12月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする