アメリカ空軍のステルス爆撃機が北アルプスへ墜落。
その搭載物は国家を揺るがす曰く付き。
日本、アメリカ、中国、朝鮮を巻き込んだ国際謀略サスペンス。
圧倒的なスケール感と、場面展開が素晴らしい。
政治謀略に思いをどうこうよりも、登場する戦場カメラマン、ジャーナリストの苦悩が記憶に残る。
生死を扱う職業がある。
また、死の真実を伝える仕事がある。
様々な戦地でその真実を写し、世に作品を残し、世界に伝える。
しかし、その実、カメラを置けば助けられた命もあったのではないか。死に瀕する人間を救えたのではないか。死にゆく様を撮らずに、助けられたのでは。
自分が殺したようなものなのでは。
ある時から、世に作品を残すことができなくなる。
物語の展開も素晴らしいが、人物描写が巧みだ。
典型的なアメリカ映画を観てるような錯覚を覚えたが、最後はなんとも日本的。
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- 感想投稿日 : 2023年1月9日
- 読了日 : 2023年1月9日
- 本棚登録日 : 2023年1月9日
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