御社のデータが流出しています: 吹鳴寺籐子のセキュリティチェック (ハヤカワ文庫 JA イ 11-1)
- 早川書房 (2017年6月22日発売)
80歳を過ぎたおばあちゃんがセキュリティ・コンサルタントとして走査するお話
違法な手段を使ってでも相手を緩やかに脅しつつ追い詰めていく吹鳴寺籐子さん
事件を表沙汰にしたくない企業とかの事情とかもあってまるでダークヒーローのように感じる面もある
キャラとして面白いし、推測されるバックグラウンドとしてもそんなに無理はない
そしてセキュリティの専門家が書いてるだけあって、IT関連の描写に大きなツッコミを入れずに読める
フィクションで描かれるIT系の描写ってホントに酷い時あるものなぁ
最近で言うなら、ドラマの◯沢直樹とかね(笑)
しかしまぁ知識のない人にとっては若干のハードルの高さもあるかもね
ルーターのセキュリティに言及するところとか
あと、「走査」という言葉がスキャンの意味で、捜査の誤字じゃないのに気づくのだろうか?
そして被害に遭っている会社のセキュリティ体制を見て、うちの会社は全然ダメだなという自省を促させる
基本的なセキュリティ体制の理念からして根本的に方向性が違うからね
ま、どっちがいいというものでもないのだろうけど
描かれてあるお話は4編
・フェイク・タイム 偽りの個人情報漏洩事件
・見えすいた罠 企業内情報漏洩事件
・キャッチボール効果 偽ウイルスソフト詐欺事件
・パスワードの身代金 COBOLレガシーシステムの罠
シャドーITに関してはどこの会社でも対応は難しいよなー
後に他のところでも語っているけど、所詮は技術よりも人の問題だし
人にしたって悪気なく「便利だから」とかって理由で使ってしまうものね
いくらルールで縛っても守らない人はいるからなぁ
しかしまぁ、2番目の会社はかなり対策をやってると思うよ
むしろ、過剰なくらいにね
そこまで対策してて漏洩してしまったんだら仕方がないんじゃないかと、個人的には思う
描かれてある年代としては2012~2013年なので、今では出来なくなってる方法とかいくつか
twitterのアレに関しては、セキュリティが強化されたので今はできなくなってるんじゃなかったっけ?
「知らない」は禁句というのはよくわかる
常に情報をアップデートしなければ生きていけない業界だしね
常に新しい技術や防御策が出てきてるしなぁ
走り続けなければ同じ場所にいられないのは大変
ところで、オンラインゲーム会社ってソニー?(笑)
N電気ってNEC?(笑)
- 感想投稿日 : 2020年8月20日
- 読了日 : 2020年8月5日
- 本棚登録日 : 2020年8月20日
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