マドンナ・ヴェルデ

著者 :
  • 新潮社 (2010年3月1日発売)
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本棚登録 : 2472
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産婦人科の女医が実母を代理母として双子を産む。
内容的には興味深かったんだけど、双子の母として、到底納得できない結末だった。
この本は、実母が主人公。
「ジーンワルツ」は女医が主人公。
実母が、実の娘である女医は母性にかけるんじゃないかと心配しておなかの子どもを守ろうとするんだけど、もう、そこが全然違う!と思う。

子ども産んだ人なら分かると思うんだけど、初めての妊娠中ってまだ子どもの実感が湧かないじゃないですか。
動いてるし、健診で画像見るし、いるんだよね、でも実際見てないし、分かるような、分からないような、という感じですよ。
で、産んで感動のご対面して、その後の初めての育児でボロボロになりながら母性らしきものが形成されていくんだと思います。
周りの家族、特に祖母は、経験者なんだし、初めてのお母さんを助けてあげる重要な役割です。
その人が、妊娠中の母性を疑って、子どもを引き離そうとするなんて、てんでナンセンスだと思うんですよ。
女医というより、この祖母がひどい。
妊娠中、しかも代理母だと自分のおなかの中にすらいないんだから、実感湧かなくて当たり前。
冷徹すぎるようなこと言ってても、赤ちゃんを目にしたら変わるだろうし、そのあと話し合ったっていいじゃないか。
ものすごく納得いかない結末。
言っちゃ悪いけど、子無しの男の人だからこんな結末になるんだろうね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年8月9日
読了日 : 2012年8月9日
本棚登録日 : 2012年8月9日

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