プロジェクト発想法: 物・事・人のつくり方 (中公新書 1626)

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  • 中央公論新社 (2002年2月1日発売)
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ビジネスばかりでなく就職、結婚など人生のあらゆる局面を「プロジェクト」であると考える。「人生これプロジェクトなり」が筆者の持論である。そうしたプロジェクトを適切に進めるために考慮・実行しなければならない点を解説する。<br /><br />1章では「ものづくり」だけでは区「ことづくり」が重要であるとし、プロジェクトを「ものごとの見方、考え方、進め方」であると広義に定義する。<br /><br />2章では環境に適応することが主体的活動のために必要であるとする。ここでの「環境」とは自然、社会、人間、経済、情報化などである。<br /><br />3章では「発想はものごとの価値を決める源泉として、もっとも重要」する。創造のために制約条件の付け外しや異質なものの組み合わせを勧める。<br /><br />4章では他人に説明・説得する企画書を書き組織を構成する際の要点を説明する。考えをまとめるための筆者独自の「ボックス・アプローチ手法」を紹介する。これは実践の軸とアカデミックスの軸の組み合わせでプロジェクト・プランニングする。<br /><br />5章ではフレームワークを設定するために全体を俯瞰する能力が必要であるとし、問題提起、テーマ設定、現状分析、方向制定時、代替案提示と進める。<br /><br />6章では作業計画、組織運営、役割分担、日程計画、予算計画、費用対効果分析、リスク対応について解説する。<br /><br />7章ではプロジェクトの開始から終了までの流れを解説する。組織の手続き、キックオフ、情報共有、危機管理、納品など。<br /><br />8章ではプロジェクト終了時の報告と評価について。報告書は見栄えも重要であるとする。<br /><br />9章と10章では筆者が関わった2つのプロジェクトについて、立ち上げから進捗経緯について紹介する。<br /><br />目次<br /> 1章 プロジェクトとは何か<br /> 2章 プロジェクトを取り巻く環境を認識する<br /> 3章 プロジェクトは発想からはじまる<br /> 4章 プロジェクトの企画の立て方<br /> 5章 フレームワークの設定<br /> 6章 プロジェクトの実施計画の立て方<br /> 7章 プロジェクトの実施<br /> 8章 プロジェクトの報告と評価<br /> 9章 プロジェクトを実践する(1)−地域計画策定プロセス<br /> 10章 プロジェクトを実践する(2)−SFCの挑戦)<br /><br />全般としてキーワードの紹介にとどまっている。さまざまなフェーズの局面を網羅しているので、「プロジェクト」の概念に最初に触れる場合に参考になるだろう。<br /><br />紹介される事例は大学内での研究や公共事業などが多い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス・経済
感想投稿日 : 2008年8月4日
読了日 : 2008年10月24日
本棚登録日 : 2008年8月4日

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