王妃の館 下 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2004年6月18日発売)
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本棚登録 : 2157
感想 : 200
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ブルボン王朝ルイ14世が愛する王妃のためにパリのヴォージュ広場に建てた王妃の館。今では世界中のセレブが羨む最高級ホテル。なんと泊まれるチャンス到来!企画したのは小さな旅行代理店。が倒産寸前!?。僅か五室しかない部屋に如何に多くのツアー客を呼び込むか考えた奇策とは!?。筆者得意のコミカルな作品。何と言っても登場人物のキャラ設定がいけてます。パリジャンに失恋したオカマ、生真面目元警官、会社が倒産し死を決意した老夫婦、不倫の末会社をリストラされたハイミス等己の人生をリセットするためにツアーに参加してきた面々。ところが読み進めていくともう一つの浅田作品の特徴であるシリアスな歴史小説が同時に始まる。ホテルの老コンシェルジュが語る300年前の切ない物語。栄華を誇り太陽王と称されたルイ14世が何故有史以来最も荘厳かつ豪華なるベルサイユ宮殿を建立したか?何故愛する王妃と王子を居が離れたパリに移したのか?王が食した極上のフランス料理を同じレシピにて食しながら老コンシェルジュからの悲話を聞く面々の想いとは・・。泣き笑いのつぼは流石、更にフランス中世史やフランス料理の歴史や役割を学べてかつオシャレなエンディングを堪能〜。上下巻一気よみ。パリに行きたくなってきたな〜。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エンターテイメント
感想投稿日 : 2013年5月4日
読了日 : 2013年4月26日
本棚登録日 : 2013年4月26日

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