ニューイングランドのアリス島にあるアイランドブックスを訪れた出版社の営業担当のアメリアと、店に残された捨て子のマヤとの出会いが、妻を事故で失った店主A.J.フィクリーのスノビッシュな日常を一変させ、閉ざされていた島の人々との交流も開かれてゆく。様々な本を絆に、アメリアとの恋愛、マヤへの愛情、亡妻の姉イスメイ、警察署長ランビアーズとの親交が深まる日々に、マヤの母親の悲劇と父親、ポーの初版本の盗難の謎も織り込まれ物語が綴られる。各章の最初に記された本棚のレビューは物語の行方を暗示させるとともに、その本自体への興味を唆らせる。
「小説というものは、人生のしかるべきときに出会わなければならないということを示唆している。覚えておくのだよ、マヤ、ぼくたちが二十のときに感じたことは、四十のときに感じるものと必ずしも同じではないということをね、逆もまたしかり。このことは本においても、人生においても真実なのだ。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アメリカ文学
- 感想投稿日 : 2022年1月5日
- 読了日 : 2021年12月24日
- 本棚登録日 : 2021年12月24日
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