中国共産党の経済政策 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2012年12月18日発売)
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感想 : 11
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2013年から始まった中国の習近平・李克強指導において中国経済がどのようになっていくか、あるいは日本(企業)がそのマーケットにおいてどのように戦っていくか、を論じた本。

上記のような問題意識のもとに書かれたのであろうことは容易に想像できるのだが、内容は表題からうける印象とは異なり、特に前半は中国における政治経済体制の入門編と言う感じである。中国の政治体制がどのようになっているか、その政治体制が経済に対してどのように影響を与えているか・・という点から、いわゆる西欧諸国との経済政策の違いを論じている。

後半は18大以前からの中国の経済問題を提示したうえで、今後の経済体制がどのようになるのかという予想も含めて論じている。後半は実際に中国に赴任経験がある著者の本領発揮というところだが、一方で中国経済にそれなりに興味をもって接している人間からすると、ほとんどの内容が既知であるように感じる(少なくとも僕はそうだった)。著者の業務の関係上書けないこともあるとは思うし、新書という形から専門的すぎる内容はかけないところもあるので、仕方ないとはおもうがこの点で評価がちょっと下がる。

中国経済に既に触れている人間には物足りない内容だと思うが、これからかの国について勉強したい、あるいはニュースの背景を知りたいと思う人にはお勧め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2014年1月8日
読了日 : 2013年11月8日
本棚登録日 : 2013年9月22日

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