曇る眼鏡を拭きながら

  • 集英社 (2023年10月26日発売)
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本棚登録 : 206
感想 : 7
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くぼたさんと斎藤さん、ちょうど10歳違いのおふたりの往復書簡。植民地主義のこと(アイヌ、沖縄)、リチャード・ブローティガンのちょっとビックリしてしまう裏話、藤本和子さんや森崎和江さんのこと、訳者あとがきのことなど、興味深い話題が盛りだくさんでほとんど一気読みだった。関係ないけど私は斎藤さんのさらに10歳年下なのだが、お二人と比べて私の人生のなんとおままごとなことなのか。それはむろん時代背景の差だけではないのだろう。
くぼたさんが『J・M・クッツェーと真実』で読売文学賞を受賞したとき、面白そう、読みたい、と思って早2年。結局読めておらず、クッツェーの作品も『マイケルK』を読んだだけだけれど、今度は『鉄の時代』ががぜん読みたくなった。娘から見た母を描いた小説は数あれど、母から娘への小説が少ないというのはたしかにそうかも。それを男性であるクッツェーがみごとに書いて読ませるというのだからますます興味をそそられる。舞城王太郎って実はおばさんなのでは?と思わせた「真夜中のブラブラ蜂」を思い出したりして。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月31日
読了日 : 2024年3月29日
本棚登録日 : 2024年3月29日

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