「演奏技法」を切り口に、ピアノ音楽への様々なアプローチを収めた作品。
第5章 筒井はる香さんの「消えゆく音に指で触れる-シューマンとフォルテピアノ」では、「16拍の音価を持つ音符の途中にどのようにアクセントをつけるか」というテーマを、ピアノという楽器の変遷とともに考察されており、大変興味深かった。
「ある音楽について、『それがどのように聴こえるか』についてはよく話題にされるのに、なぜ『それを演奏して、どのように感じられるか』についてはあまり語られることがないのだろうか」と始まる第6章 大久保賢さんの「手のドラマ-ショパン作品を弾いて体験する」。
これこそが音楽理論や音響学等の"研究"と、芸術としての演奏にどこか交わり得ない隔たりを感じてしまう所以なのではないかと思った。
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- 感想投稿日 : 2023年10月1日
- 読了日 : 2023年10月1日
- 本棚登録日 : 2023年10月1日
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