シリーズ3作目。
連句という形式にも慣れてきて、なるほど、こんなふうに繋げていくのか、と読者も連句会、ひとつばたご(物語の終わりで出てくるなんじゃもんじゃの木だなんて)のメンバーとしてだいぶ上手に詠めるようになってきたはず。
登場する水羊羹は本当に美味しそう!
いつかは食べてみたいなぁ、プルプルで、まるで水そのもの!
しんとした世界から手渡されるそれは私の想像を刺激して、お腹も刺激する。
マンガの話も出てきて、本作はシリーズの中でお気に入り。
『たんぽぽの綿毛のように』で出てくる、
「大きな木は動けないけど、たんぽぽの綿毛は遠くまで飛べるでしょう?」(103頁)は、軽やかに生きる強さを感じさせる。
個人的には毒っけのあるこの句、
「念のため消せるインクで書く呪い 長く生きればやり直し利く」
が大好き。
一葉の未来もそろそろ動き出しそう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2023年4月16日
- 読了日 : 2023年2月3日
- 本棚登録日 : 2023年4月16日
みんなの感想をみる