言葉の園のお菓子番 森に行く夢 (だいわ文庫)

  • 大和書房 (2022年8月10日発売)
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本棚登録 : 463
感想 : 38
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シリーズ3作目。
連句という形式にも慣れてきて、なるほど、こんなふうに繋げていくのか、と読者も連句会、ひとつばたご(物語の終わりで出てくるなんじゃもんじゃの木だなんて)のメンバーとしてだいぶ上手に詠めるようになってきたはず。
登場する水羊羹は本当に美味しそう!
いつかは食べてみたいなぁ、プルプルで、まるで水そのもの!
しんとした世界から手渡されるそれは私の想像を刺激して、お腹も刺激する。

マンガの話も出てきて、本作はシリーズの中でお気に入り。
『たんぽぽの綿毛のように』で出てくる、
「大きな木は動けないけど、たんぽぽの綿毛は遠くまで飛べるでしょう?」(103頁)は、軽やかに生きる強さを感じさせる。
個人的には毒っけのあるこの句、
「念のため消せるインクで書く呪い 長く生きればやり直し利く」
が大好き。
一葉の未来もそろそろ動き出しそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2023年4月16日
読了日 : 2023年2月3日
本棚登録日 : 2023年4月16日

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