「う」尽くし、鱧の葛叩き、菊花雪、焼き柿......
さて一体どんな料理だろう?
今回は行方知れずの若旦那、佐兵衛のことを知っている富三と言う男が登場する。
この男、一流の料理人のはずだが、どうにも様子がおかしい。
包丁の研ぎ方、彼が語る佐兵衛の姿、人探しの代償。
確かに吉原は人を変える。
しかし富蔵が語る佐兵衛は、あの穏やかな若旦那の姿とは似ても似つかない。
そして澪が料理人として認められる一件となるのが、鱧だ。
あの淡白で、上品、美しく切られたプリッとした姿、ああ、夏はまだか!
なんでぃ、江戸っ子ならドジョウにアナゴだろ!ってか!
いやいや、ドジョウは実家にペットとして飼っていたもんで、あまり食べる気には。
え?うなぎも飼ってたのに目の前で食ってたじゃねぇか、だって?
知らないねえ!
さて、澪は愛する友を思いながら今日も腕を振るう。
そして身分違いだとはわかっていても、追わずにいられない想い人、小松原。
湯気の中に響く包丁の音の中、澪は何を思うのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2018年4月12日
- 読了日 : 2017年9月11日
- 本棚登録日 : 2018年4月12日
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