- 北北西に曇と往け 7 (青騎士コミックス)
- 入江亜季
- KADOKAWA / 2024年2月20日発売
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2024年2月28日
- 樋口愉美子 暮しの刺繍
- 樋口愉美子
- 文化出版局 / 2023年12月13日発売
- Amazon.co.jp / 本
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発売日前ですが、某通販サイトで中身をちらりと見て、あまりのかわいさに早く手にしたい、刺したいという気持ちでいっぱいになりました。楽しみ!
2023年11月22日
スピンがない!
500ページを超えるのにしおりがないなんて、そんなに出版社はお金がないのか?!
いえ、ありました。
満々たる自信が。
500ページ、読者は一気読みする、という自負が。
まったくご慧眼恐れ入りました。
そういうわけで内容にはあえて触れませんが、
(あらすじで十分)
胸を張ってお勧めできます。
ぜひ時間に余裕があるときにお読みください。
そうでなければ、泣く泣く栞をはさむことになりますよ。
あと直接関係はないけれど、
主人公の悌子さんに伝えたい。
日本の女性が槍投げで世界一になったんですよ、と。
2023年9月19日
- この父ありて 娘たちの歳月
- 梯久美子
- 文藝春秋 / 2022年10月25日発売
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父親との関係で娘を見る、というのを思いついた時点で、おもしろさが決まったようなものだ。
あとは人選。
石牟礼道子さんのお父さんが忘れ難い。
時代を考えると江戸と地続きの人。
古きよき日本人像というフィクションでしかありえないような人柄を、娘がものを書く人であったが故に今に伝えている。
そして茨木のり子さんと石垣りんさん。
特に石垣さんは、まさに今読まれるべき人だ。なんて胸に刺さるんだ。その人生を知ると尚更。
ふたりの父親は対照的。
けれど二人の詩は。
またこの二人が仲がいいというのが、もうなんていっていいのか…柚木麻子さん辺りに小説にしてほしい。
朝ドラでもいいよ。
2023年4月13日
- その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い (新潮文庫)
- ジョディ・カンター
- 新潮社 / 2022年4月26日発売
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2023年5月31日
- 小さなことばたちの辞書
- ピップ・ウィリアムズ
- 小学館 / 2022年9月27日発売
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映画「博士と狂人」で存在を知った「オックスフォード英語大辞典」の編纂。
言われてみれば、編纂作業で映像で表にでてくるのは男性だった。男性ばかりだった。
この小説は、あの時代の女性たち、中産階級以下の労働者たちの「言葉」。中産階級以上の初老の男の耳には、入ったとしてもなかったことにされる「言葉」。
その言葉は当然辞典には掲載されていない。
しかし、それらの「言葉」は当時確かにあったのだ。
言葉をしゃべっていた人たちも、確かにいたのだ。
歴史に名を残しはしないけれど。
この話の主人公は、その「言葉」を集めた。無視をしなかった。
「若い」「女性」
「結婚していない」「女性」
「処女ではない」「子供のいない」(?)「女性」
その時々の立場で言葉を集め続けた。
見事に辞典の編纂作業と架空のひとりの女性の人生が交錯し、鮮やかに立ち上がって、「そこ」にいた。
泣いたからいい本だ、とは言えないと思うのだけれど。
後半くらいから、泣かずにはいられなかった。
泣きっぱなしだった。
2023年1月27日
- 上流階級 富久丸百貨店外商部 (4) (小学館文庫 た 35-4)
- 高殿円
- 小学館 / 2022年12月6日発売
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最高にシビれるお買い物でした!
買うという行為そのものがエネルギーを発しているかのよう。
買い物、エネルギー要るもんね。
下手したら物が発する空気に負けるときがあるからね、と最近そんな元気がないことを自覚しているので思うのだけれど。
ひとが買い物しているのを見ているだけ(読んでいるだけ)でももらえる元気があるなあと、本作読んでしみじみした。
そしてラスト三行くらいを静緒と一緒になって三度見くらいしたよ!
は、どういうこと?!
続きが早く読みたい!
2022年12月15日
- なんとかしなくちゃ。 青雲編
- 恩田陸
- 文藝春秋 / 2022年11月7日発売
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出版されている恩田作品は大概読んでいる。
好みのものもそうでないものも…
なにせ幅が広いので好みど真ん中というのはなかなかこない。
その中で久々のヒットが今作でした。
ザエンタメ
加えて歴史を学んでつくづく思う戦争における兵站の重要性を、恩田節で聞かせてもらえるという点が、早くも続きを楽しみにさせている。
さらには、恩田作品がどれだけ好みのジャンルから外れていても読む理由に、本筋とはあんまり関係ないところで展開する蘊蓄?がある。
その蘊蓄が好きなのだ。
どうでもいいといえばいいんだけど、そこをうまく繋げて繋げて、最終的にそこに持っていくか、という地点まで読者を連れて行く手腕も見事で。
この作品はそれが全編なので夢のよう。
登場人物もキャラが立っていて楽しい。
ほんとに続きが早く読みたい。
2022年11月24日
なにやら登場人物の字面に覚えがある。
なんか、この人たちのこと知ってる。
もやもやしつつ序盤をよんで、調べてみたらやっぱり。
「虹色天気雨」「ビターシュガー」の続編でした。
読んでなくても読めるけど、読んだより楽しいかも。
それにしても記憶の彼方の前作を、
なんとなく昔会った人を思い出すように、記憶を呼び覚まさせる大島さん、すごいです。
2022年10月3日
- 空をこえて七星のかなた
- 加納朋子
- 集英社 / 2022年5月26日発売
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2022年6月18日
- 子宝船 きたきた捕物帖(二)
- 宮部みゆき
- PHP研究所 / 2022年5月25日発売
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2022年6月18日
ほんのさわりだけであっという間に道先生という、明るい、まっすぐなひとに魅了され、虜になった。教師として慕われるのも納得。
決して恵まれた生い立ちではない。
けれど賢明な母のおかげでキリスト教と西洋に学びアメリカ留学することで彼女の世界はさらに広がっていく。
欠かせないのが
師であり友人でもあった津田梅子の存在だ。
わずか7歳でアメリカに留学させられた彼女の旅路での男からの屈辱的な扱いや大山巌夫人捨松との一口では言い切れない関係、さらにはせっかく留学したのに帰国したところで職はなく、同じく海外帰りの男には仕事が与えられていくその状況で
よく結婚に逃げなかったと感心する。
潔癖で峻厳な津田英語塾の校長が唯一例外にしてあるのが道先生だ。
明るく賢く
周りをランタンのように照らすひと。
特にお気に入りのエピソードは徳富蘇峰の家に押しかけた話と野口英世への態度
最高。
ページを捲るたびに頷く名言が出てくる。
あと新渡戸稲造について初めて詳しくその功績を知った。
5000円札に肖像が描かれていて当然のひとでした。
2021年12月13日
- きのう何食べた?(18) (モーニング KC)
- よしながふみ
- 講談社 / 2021年5月21日発売
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今回は、愛が重い…
シロさんの遺言書の話から、養子縁組、それに対するケンジの反応が…
そうだよねえ…とホロリとした。
そもそも養子縁組って家族として相続諸々がスムーズに行かせるためのあくまでも便宜上の方法であって、ケンジたちの気持ちに沿ったものではないものね。
養子になれば万事解決するじゃないかというのは、あくまで当事者以外からのいわば傲慢な押し付けなのかもしれない。と自省しました。
早く誰もが自由に家族の形を選べる社会にしなきゃなあ。
でそんなこと言い出したシロさんの真意がさらに深くて、沁み入りました。
さらにさすがだと思ったのが、コロナの描き方。
言葉こそ出てこないけど、ケンジのお店の売り上げが減ったりいろいろ影響が出ていましたよ、と過去形で描く
そういうやり方もあるんだなーと刮目。
たしかにまったくスルーするのは不自然だしマスク姿ばっかり描くのもしんどい。
感染がおさまったかワクチンが行き渡ったか、そんなアフターワールド。
でもさすがに政府のモタモタぶりまでは予測がつかないよねぇ
料理は
辛い塩鮭があったら茹でる。
2021年5月29日
- 魂手形 三島屋変調百物語七之続
- 宮部みゆき
- KADOKAWA / 2021年3月26日発売
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2021年4月23日
平成の初め、高校で飼われ始めた犬と高校生たちの物語
あらすじだけで泣ける。
読んだら当然泣くと思っていったん敬遠したけど、抗えずに手に取りました。
第一話の終わりですでに涙目。
病院の待合室で周りの目が気になり、マスクで目元を拭う。
読み終えた今では
表紙のかわいいコーシローを見るだけでうるうるしてしまいます。
高校生たちがみんな良い子で。
県内随一の進学校という設定もあるからか。
それにしても平成と一括りにしても最初の方に出てきた子の祖父母は普通に戦争を経験していてまだかなり戦後の匂いがする生活環境なのに対して、令和になるかぐらいでは、戦後は随分遠い。
平成の三十年余りもその時代を生きてきた人間にとってはしみじみ長いと感じました。あらためて
2020年11月22日
- 詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)
- 吉田秋生
- 小学館 / 2020年10月9日発売
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鄙びた温泉街
狭くて濃密な人間関係
仄暗い過去と長く伸びて足元を覆う影
それでも顔を上げて生きる
視線の先には美しくも厳しい自然があり
学ぶべき先達がいる
派手な事件はないけれど
心情を想像するだけで十分ドラマチックで
濃い
2020年10月18日
- 銀河英雄伝説列伝1 (晴れあがる銀河) (創元SF文庫)
- 石持浅海
- 東京創元社 / 2020年10月30日発売
- Amazon.co.jp / 本
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二次創作をプロがやるとこうなるのか、
と。
どの作品も、銀英伝でありながら、それぞれの作家の個性も滲み出ていて読み応えがありました。
次も読みたい。
書きたいと手を挙げる作家も多そうです。
それにしてもこれだけの遊びを許すのは、原作がびくともしない頑健な土台を築いているからだと偉大さを再認識しました。
原作も読み直したい。
2020年12月24日
虫愛づる姫君現代版かなぁとタイトルから推察したのですが。
思ったよりも愛でてました‥
2019年9月29日
食べ物と生き方を巡る対談集
ものすごく対談相手が豪華な顔ぶれでした
2019年9月19日
朝井まかてさんは市井に生きる女性を描くのがうまいなぁ特に性格が意地っ張りで頑固で苦労するタイプ。
欠点のない美しい女ではなく、欠けたものを抱えながらも懸命に生きている清しい女。
2019年9月8日
- 世界を救う100歳老人
- ヨナス・ヨナソン
- 西村書店 / 2019年7月1日発売
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いつもながら、ぶっ飛んだ主人公がタブレットにはまり、周りに流されつつも、世界の首脳相手にコケにしたり、子供をなだめすかすようにしてみたり。
実際101歳にとってほとんど人間が青二才なんだなぁ。
次は是非日本での活躍が読みたい
2019年8月28日
- アトリと五人の王 (単行本)
- 菅野雪虫
- 中央公論新社 / 2019年6月18日発売
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設定はおもしろかったけど、
なんとなく、登場人物たちの感情が書き込み不足な感が否めない
読み取れるけど、もどかしい
2019年7月16日
馴染みのない水墨画の世界を描いた作品ということで興味を抱いて読み始めた。
水墨画の魅力やその世界観、技法、描いてみたときの難しさとおもしろさがすごく説得力あると思ったら、作者は現役水墨画家さんだとのこと。
納得。
でもだからといって、すべての画家が同じように書けるわけではないだろう。
言語化して徹底的に考えているのだろうということを窺わせる。
また登場人物キャラクターも魅力的。
特に普段飄々としていてお茶目でかわいいのに、言っていることが深い湖山先生がお気に入り。
2019年7月9日
- ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
- ブレイディみかこ
- 新潮社 / 2019年6月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
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カテゴリをエッセイにするか迷ったけど、鋭い英国社会への眼差しは評論のほうが相応しいだろう
イギリス在住の保育士ブレイディみかこさんの 中学に入学してからの発言や行動が、すごすぎる
特にエンパシーとはなにかという試験の問いに対して
「自分で他の誰かの靴を履くこと」というシンプルでありながら深く納得させられる答えには唸ることしかできない
蛇足)
彼が福岡のおじいちゃんに会いに来た時の日本人の対応には恥ずかしいとしかいいようがない
2019年7月16日