結局ミチタカはどんなチカラがあるのか?
ないのか?

いや、あるよね?

とは思うものの、証言をじわじわ聞いていく、清と同じ立場に読者はいるので、ケイが見ているものはまだ見えていない。
この視界不良加減が絶妙。

2024年2月28日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2024年2月28日]
カテゴリ コミック

発売日前ですが、某通販サイトで中身をちらりと見て、あまりのかわいさに早く手にしたい、刺したいという気持ちでいっぱいになりました。楽しみ!

2023年11月22日

読書状況 読み終わった [2023年12月17日]
カテゴリ 実用書
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スピンがない!
500ページを超えるのにしおりがないなんて、そんなに出版社はお金がないのか?!

いえ、ありました。
満々たる自信が。
500ページ、読者は一気読みする、という自負が。
まったくご慧眼恐れ入りました。

そういうわけで内容にはあえて触れませんが、
(あらすじで十分)
胸を張ってお勧めできます。
ぜひ時間に余裕があるときにお読みください。
そうでなければ、泣く泣く栞をはさむことになりますよ。


あと直接関係はないけれど、
主人公の悌子さんに伝えたい。
日本の女性が槍投げで世界一になったんですよ、と。

2023年9月19日

読書状況 読み終わった [2023年9月19日]

父親との関係で娘を見る、というのを思いついた時点で、おもしろさが決まったようなものだ。
あとは人選。

石牟礼道子さんのお父さんが忘れ難い。
時代を考えると江戸と地続きの人。
古きよき日本人像というフィクションでしかありえないような人柄を、娘がものを書く人であったが故に今に伝えている。

そして茨木のり子さんと石垣りんさん。
特に石垣さんは、まさに今読まれるべき人だ。なんて胸に刺さるんだ。その人生を知ると尚更。
ふたりの父親は対照的。
けれど二人の詩は。

またこの二人が仲がいいというのが、もうなんていっていいのか…柚木麻子さん辺りに小説にしてほしい。
朝ドラでもいいよ。

2023年4月13日

読書状況 読み終わった [2023年2月22日]

映画にはなくて、原作のみの結末ですが

最後に被害者たちが集まって、
立場も人種も貧富も超えてただ語り合う
その場面が素晴らしいなぁとおもったのと同時に
これが成り立つ条件があるなと思った

それは、言語。

共通した言語を持たなければこの場は成立しないだろう。
極めて個人的なことを、通訳を介して語るのは不可能に近い

言葉は大事だなと。

作品の本質ではないかもしれないけれど、それを痛感しました

2023年5月31日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年2月20日]

映画「博士と狂人」で存在を知った「オックスフォード英語大辞典」の編纂。
言われてみれば、編纂作業で映像で表にでてくるのは男性だった。男性ばかりだった。
この小説は、あの時代の女性たち、中産階級以下の労働者たちの「言葉」。中産階級以上の初老の男の耳には、入ったとしてもなかったことにされる「言葉」。
その言葉は当然辞典には掲載されていない。
しかし、それらの「言葉」は当時確かにあったのだ。
言葉をしゃべっていた人たちも、確かにいたのだ。
歴史に名を残しはしないけれど。

この話の主人公は、その「言葉」を集めた。無視をしなかった。

「若い」「女性」
「結婚していない」「女性」
「処女ではない」「子供のいない」(?)「女性」

その時々の立場で言葉を集め続けた。

見事に辞典の編纂作業と架空のひとりの女性の人生が交錯し、鮮やかに立ち上がって、「そこ」にいた。

泣いたからいい本だ、とは言えないと思うのだけれど。
後半くらいから、泣かずにはいられなかった。
泣きっぱなしだった。

2023年1月27日

最高にシビれるお買い物でした!

買うという行為そのものがエネルギーを発しているかのよう。

買い物、エネルギー要るもんね。
下手したら物が発する空気に負けるときがあるからね、と最近そんな元気がないことを自覚しているので思うのだけれど。

ひとが買い物しているのを見ているだけ(読んでいるだけ)でももらえる元気があるなあと、本作読んでしみじみした。

そしてラスト三行くらいを静緒と一緒になって三度見くらいしたよ!
は、どういうこと?!
続きが早く読みたい!

2022年12月15日

読書状況 読み終わった [2022年12月15日]
カテゴリ 小説

出版されている恩田作品は大概読んでいる。
好みのものもそうでないものも…
なにせ幅が広いので好みど真ん中というのはなかなかこない。

その中で久々のヒットが今作でした。

ザエンタメ

加えて歴史を学んでつくづく思う戦争における兵站の重要性を、恩田節で聞かせてもらえるという点が、早くも続きを楽しみにさせている。

さらには、恩田作品がどれだけ好みのジャンルから外れていても読む理由に、本筋とはあんまり関係ないところで展開する蘊蓄?がある。
その蘊蓄が好きなのだ。
どうでもいいといえばいいんだけど、そこをうまく繋げて繋げて、最終的にそこに持っていくか、という地点まで読者を連れて行く手腕も見事で。

この作品はそれが全編なので夢のよう。

登場人物もキャラが立っていて楽しい。

ほんとに続きが早く読みたい。

2022年11月24日

読書状況 読み終わった [2022年11月23日]
カテゴリ 小説

なにやら登場人物の字面に覚えがある。
なんか、この人たちのこと知ってる。

もやもやしつつ序盤をよんで、調べてみたらやっぱり。

「虹色天気雨」「ビターシュガー」の続編でした。
読んでなくても読めるけど、読んだより楽しいかも。

それにしても記憶の彼方の前作を、
なんとなく昔会った人を思い出すように、記憶を呼び覚まさせる大島さん、すごいです。

2022年10月3日

読書状況 読み終わった [2022年10月3日]

連作短編集

加納さんの作品はいつも、キャラクターの造形で特に、くすりと笑わせてくれて、かと思えば涙腺の耐久度を本気で試してきて。
辛い現実も逃げずに描いていながら読み終わりはいつもあたたかく名残惜しい。


2022年6月18日

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読書状況 読み終わった [2022年6月18日]
カテゴリ 小説

宮部作品から時代小説のジャンルを知って、ハマったようなわたしにとっては、歴代のシリーズの中から懐かしい人たちが顔を出すこのシリーズは楽しくてしかたない。
「ぼんくら」の続きが出ないのかなぁと思っていたらここであのひとが!
茂七親分も読み返したくなってきた。

次作も楽しみです

2022年6月18日

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読書状況 読み終わった [2022年6月18日]
カテゴリ 小説
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ほんのさわりだけであっという間に道先生という、明るい、まっすぐなひとに魅了され、虜になった。教師として慕われるのも納得。

決して恵まれた生い立ちではない。
けれど賢明な母のおかげでキリスト教と西洋に学びアメリカ留学することで彼女の世界はさらに広がっていく。
欠かせないのが
師であり友人でもあった津田梅子の存在だ。
わずか7歳でアメリカに留学させられた彼女の旅路での男からの屈辱的な扱いや大山巌夫人捨松との一口では言い切れない関係、さらにはせっかく留学したのに帰国したところで職はなく、同じく海外帰りの男には仕事が与えられていくその状況で
よく結婚に逃げなかったと感心する。
潔癖で峻厳な津田英語塾の校長が唯一例外にしてあるのが道先生だ。
明るく賢く
周りをランタンのように照らすひと。

特にお気に入りのエピソードは徳富蘇峰の家に押しかけた話と野口英世への態度
最高。

ページを捲るたびに頷く名言が出てくる。

あと新渡戸稲造について初めて詳しくその功績を知った。
5000円札に肖像が描かれていて当然のひとでした。

2021年12月13日

読書状況 読み終わった [2021年11月22日]
カテゴリ 小説
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今回は、愛が重い…

シロさんの遺言書の話から、養子縁組、それに対するケンジの反応が…

そうだよねえ…とホロリとした。
そもそも養子縁組って家族として相続諸々がスムーズに行かせるためのあくまでも便宜上の方法であって、ケンジたちの気持ちに沿ったものではないものね。
養子になれば万事解決するじゃないかというのは、あくまで当事者以外からのいわば傲慢な押し付けなのかもしれない。と自省しました。
早く誰もが自由に家族の形を選べる社会にしなきゃなあ。

でそんなこと言い出したシロさんの真意がさらに深くて、沁み入りました。


さらにさすがだと思ったのが、コロナの描き方。
言葉こそ出てこないけど、ケンジのお店の売り上げが減ったりいろいろ影響が出ていましたよ、と過去形で描く
そういうやり方もあるんだなーと刮目。
たしかにまったくスルーするのは不自然だしマスク姿ばっかり描くのもしんどい。
感染がおさまったかワクチンが行き渡ったか、そんなアフターワールド。

でもさすがに政府のモタモタぶりまでは予測がつかないよねぇ

料理は
辛い塩鮭があったら茹でる。

2021年5月29日

読書状況 読みたい

このシリーズの、百物語の聞き手である主人公は、辛い過去のある女性から裕福な商家の主人の次男に交代したのだけれど、なんとなく過去のあるなしのせいか性格なのか、黒白の間にやってくる語り手の話しとの乖離が激しい気がしていた。
それが今回の最後の話の、最後の最後でぐわっと深い傷を負わされた。
この背負うものの重さが聞き手にどう変化をもたらすのか。

宮部さんにしては本の厚みが薄いと思ったけど、やはり理由のないことではなかったのだ。

2021年4月23日

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読書状況 読み終わった [2021年4月23日]
カテゴリ 小説

平成の初め、高校で飼われ始めた犬と高校生たちの物語

あらすじだけで泣ける。
読んだら当然泣くと思っていったん敬遠したけど、抗えずに手に取りました。
第一話の終わりですでに涙目。
病院の待合室で周りの目が気になり、マスクで目元を拭う。

読み終えた今では
表紙のかわいいコーシローを見るだけでうるうるしてしまいます。

高校生たちがみんな良い子で。
県内随一の進学校という設定もあるからか。

それにしても平成と一括りにしても最初の方に出てきた子の祖父母は普通に戦争を経験していてまだかなり戦後の匂いがする生活環境なのに対して、令和になるかぐらいでは、戦後は随分遠い。
平成の三十年余りもその時代を生きてきた人間にとってはしみじみ長いと感じました。あらためて

2020年11月22日

読書状況 読み終わった [2020年11月22日]

鄙びた温泉街
狭くて濃密な人間関係
仄暗い過去と長く伸びて足元を覆う影
それでも顔を上げて生きる
視線の先には美しくも厳しい自然があり
学ぶべき先達がいる

派手な事件はないけれど
心情を想像するだけで十分ドラマチックで
濃い

2020年10月18日

読書状況 読み終わった [2020年10月18日]
カテゴリ コミック
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二次創作をプロがやるとこうなるのか、
と。
どの作品も、銀英伝でありながら、それぞれの作家の個性も滲み出ていて読み応えがありました。
次も読みたい。
書きたいと手を挙げる作家も多そうです。

それにしてもこれだけの遊びを許すのは、原作がびくともしない頑健な土台を築いているからだと偉大さを再認識しました。
原作も読み直したい。

2020年12月24日

読書状況 読み終わった [2020年12月24日]
カテゴリ アンソロジー

虫愛づる姫君現代版かなぁとタイトルから推察したのですが。

思ったよりも愛でてました‥

2019年9月29日

読書状況 読み終わった [2019年9月29日]
カテゴリ 小説
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食べ物と生き方を巡る対談集


ものすごく対談相手が豪華な顔ぶれでした

2019年9月19日

読書状況 読み終わった [2019年9月19日]
カテゴリ エッセイ

朝井まかてさんは市井に生きる女性を描くのがうまいなぁ特に性格が意地っ張りで頑固で苦労するタイプ。
欠点のない美しい女ではなく、欠けたものを抱えながらも懸命に生きている清しい女。

2019年9月8日

読書状況 読み終わった [2019年9月8日]
カテゴリ 小説
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いつもながら、ぶっ飛んだ主人公がタブレットにはまり、周りに流されつつも、世界の首脳相手にコケにしたり、子供をなだめすかすようにしてみたり。
実際101歳にとってほとんど人間が青二才なんだなぁ。

次は是非日本での活躍が読みたい

2019年8月28日

読書状況 読み終わった [2019年8月28日]
カテゴリ 小説

設定はおもしろかったけど、
なんとなく、登場人物たちの感情が書き込み不足な感が否めない
読み取れるけど、もどかしい

2019年7月16日

読書状況 読み終わった [2019年7月16日]
カテゴリ 小説

馴染みのない水墨画の世界を描いた作品ということで興味を抱いて読み始めた。

水墨画の魅力やその世界観、技法、描いてみたときの難しさとおもしろさがすごく説得力あると思ったら、作者は現役水墨画家さんだとのこと。
納得。
でもだからといって、すべての画家が同じように書けるわけではないだろう。

言語化して徹底的に考えているのだろうということを窺わせる。

また登場人物キャラクターも魅力的。
特に普段飄々としていてお茶目でかわいいのに、言っていることが深い湖山先生がお気に入り。



2019年7月9日

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 小説
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カテゴリをエッセイにするか迷ったけど、鋭い英国社会への眼差しは評論のほうが相応しいだろう

イギリス在住の保育士ブレイディみかこさんの 中学に入学してからの発言や行動が、すごすぎる

特にエンパシーとはなにかという試験の問いに対して
「自分で他の誰かの靴を履くこと」というシンプルでありながら深く納得させられる答えには唸ることしかできない



蛇足)
彼が福岡のおじいちゃんに会いに来た時の日本人の対応には恥ずかしいとしかいいようがない

2019年7月16日

読書状況 読み終わった [2019年7月16日]
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