ずっと朝鮮が敵役だった一連の伝奇時代小説はネタ切れか、最近ではキリシタンの謀略ものにシフトしてきている。本作では最初は柳生が敵役かと思わせ、また、筆者にしては比較的まともな話かと思いきや、黒幕としてのキリシタンが登場するやいなや、相変わらずのぶっ飛んだ展開。ただし、やや自制が働いたかどうかは分からないが、終わりはあっけない。柳生が脇役になっていると筆が鈍るか、弟はあっけなく殺したが十兵衛だけは生死不明で、これを超える適役として用意した二刀流もらしいと言えばらしい展開で遁走させてしまうのだから、あっけない。主人公が急に強くなったり奸智にたけた武将の様に戦うのも違和感が否めず、魅力に乏しいのが残念である。タイトルの意味も話に繋がらず、今一つ分からなかった。まあ、そんなことはさておき、伝奇物は楽しんだ方が良いだろう。
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- 感想投稿日 : 2012年9月11日
- 読了日 : 2012年9月11日
- 本棚登録日 : 2012年7月19日
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