高校二年の時分。「これすごいから読んでみて」と友人に手渡された本は、カバーもその下の表紙もボロボロで、古本屋もびっくりのくたびれ具合だった。それがこの「ファザーファッカー」だ。友人所有の「ファザーファッカー」は学年中を回り、私のところに来た時にはすでにそんな姿になっていたのである。
15歳の主人公静子が、実の母も承知の上で育ての父に犯されるという衝撃的なストーリー。暴力的で酒乱でどうしようもない養父にも腹が立つが、弱々しく悲劇のヒロイン然としているばかりで娘を庇おうとしない母親はもっと理解に苦しむ。男の理不尽なところと女のいやらしいところが浮き彫りになっている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
内田春菊
- 感想投稿日 : 2012年9月27日
- 読了日 : 2002年1月12日
- 本棚登録日 : 2012年3月21日
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