13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年8月10日発売)
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本棚登録 : 14196
感想 : 1601
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「法律は正しいのですか。本当に平等なのですか。(中略)悪い人間は犯した罪に見合うように、正しく裁かれているのですか。」p374から引用

本作『13階段』はSF小説で有名な『ジェノサイド』の著者、高野和明さんのデビュー長編であり、ジェノサイドとは異なるけれど、強いメッセージ性を感じさせる名作でした。

主人公は10年前に罪を犯した青年の三上純一と、死刑囚と長年に渡り向き合ってきた南郷正二。
二人の出会いから別れまでに至り、冤罪と思える一人の死刑囚の無実を晴らす日々が綴られていますが、その死刑囚が絡んだ事件の真相に、皆さんは最後どんな気持ちを抱くでしょうか。

私は本作を通して、冤罪の証明の難しさを垣間見ただけではなく、犯罪そのものが無くならない人間の性や業に悩まされました。

高野和明さんの作品は、ジェノサイドに続き本作が読了2作目ですが本当に事細かく調べて書かれた作品だと感じ、また心理描写も読みやすさにも強いこだわりが見えて非常に好みでした。

やはり名作は名作たる凄みがあるのだと改めて感じます。未読の方は是非♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: レビュー済み
感想投稿日 : 2023年7月13日
読了日 : 2023年7月13日
本棚登録日 : 2023年4月4日

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