社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

著者 :
  • 大和書房 (2012年5月19日発売)
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本棚登録 : 2031
感想 : 326
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ちきりんが旅行した沢山の国から考えた事。
世界を旅行する事で気がついた「常識の違い」「価値観の違い」
旅先で考えた「この社会はどんな仕組みで回ってる?」「なぜこんなことが起こっている?」をまとめた本。

ちきりんのブログは好きだし本もこれで3冊目ですが、この本が一番面白かった!
いや、前2冊も面白いんですが結構ブログのネタとかぶるというか、まあ著者が同じなんですが当たり前なんですが、驚きがない感じ。
「おちゃらけ社会派」と評してますが、時事ネタ、社会ネタってやっぱり読ませる論客が他にも多いので、面白いけれどその中の1つって感じがします。
が、これを海外旅行と絡めるとこんな形でまとめたの読んだことないよ~!でした。うまく軸ずらしたなーいいよ、ちきりん、これもっとやってよ!なんて思っちゃいましたよ~~

面白いと感じた点は、旅のスタイルが色々で色んな国に行ってる事。
ビーチバカンスも行くし、ヨーロッパも行くし、共産国や南米やいわゆる一般旅行者が行かないようなところも行くし。。バックパッカー貧乏旅と普通のツアー旅、どちらも否定してない感じがいい。その分、バリエーション豊かな国の体験が読める。

あともう一つは同じ国に何度か行っていて、その時系列の比較でものを考えている事。
そうか~そんな風に変わっていってそれがなぜなのか、がちきりんの頭の整理を通して伝わってきます。

私はいわゆるフツーの旅行しかしないので行った事がある国もあればない国もあったけれど、この本を通じて何となくその国の背景は変化を感じられました。

面白かったエピソードは

■ビルマ(現ミャンマー)での「現地通貨への両替は国への寄付だ」話。
→お金とは価値あるモノが存在しない環境では何ら意味を持たない

■インドでの「自国通貨をほしがらない人達」
→国際市場で自由に両替可能な「ハードカレンシー」を持っている国はそんなに多くはない

■メキシコでのデノミに遭遇した話
→通貨が信任を得るというのは国際的な信任だけではなくその国の住人がその通貨を信じているか

■紙幣のデザインから見る世界

■2つの異なる移民の国、ブラジルとアメリカ
→「アメリカ人!」を主張するのと「日系人!」を主張するのと。それはなぜ?

■共産圏の国の変化
→動機付けのシステムが変われば、人の行動は短期間にここまで大きく変わる!

■シンガポールエアラインがサービスNo1の理由
→競争せずに顧客も高利益も獲得できる環境があるかないか

■格差が意識されない社会
→格差の有無、よりも格差の認識の有無、のほうが大きい

■世界のコカコーラ事情

■ビルマのお金持ちと「結婚しない?」話から気がついた事
→何を持っているか、ということは豊かさとは無関係

■世界の美術館の成り立ちの違い

わー、ちょっとと思ったらこんなに出てきた。他にも色々あります。
私的にはとってもツボな1冊でした。
旅好きの人にも、そうでない人にもお勧めです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2012年5月31日
読了日 : 2012年5月29日
本棚登録日 : 2012年5月28日

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