福島第一原発事故の後、福島県本庁に設置された災害対策本部から発表されたプレスリリース。
<県立いわき光洋高等学校(双葉病院)について 3月17日>
3月14日から16日にかけての病院からの患者の救出状況として、
○施設には、結果的に自力で歩くことができない、重篤な患者だけが残された。
○ただちに病院・施設に自衛隊が救出に向かった。
○双葉病院には、病院関係者は一人も残っていなかったため、患者の状態等は一切わからないままの救出となった。
この発表を受けて、双葉病院グループによる「患者置き去り事件」として大きな問題となる。
はたして、医療関係者が患者を置き去りになどするものだろうか?
そんな疑問から続けた取材からは、報道とは全く違う事実がわかり始める。
問題の根本はどこにあるのだろうか?
このような大きな災害・事故の対応は、一自治体では賄いきれるものではない。町・県が対策を考えるのではなく、国が自衛隊など大きな組織を効率的に使って行うべきもの。
また、原発の安全神話から、このような事故を想定していなかった。
かろうじて自衛隊が原発事故を想定した訓練は行っていたが、その自衛隊に指示を出す災害対策本部が全く機能していなかった。
この双葉病院の一件は、震災による犠牲と片づけてはいけない。原発事故や、その後のお粗末な対応による人災である。双葉病院長は「犯人」ではなく、間違いなく被害者の一人だ。
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2019年2月19日
- 読了日 : 2012年10月4日
- 本棚登録日 : 2019年2月19日
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