【ネタバレ】
基本的に病と死を描いているものをあまり好んで来なかったが、これは例外だった。
キョウコが決定的に遠く隔てられていた何かとは、世界なのだろうと思う。かつてダンスを通してそれを与えてくれたホセと再会することで、再び取り戻したように感じる。
一方ホセも、その人生の代名詞とも言えるダンスが、キョウコの中でいつまでも生き続ける美しさを最期に理解できたのだ。
前半、様々な人の目線でキョウコの姿が描かれる。そこには日本人の侘び寂び精神に対する敬意が窺えた。
キョウコという少女を通して、日本と世界の対峙を美しい視点で観ることが出来た。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年12月10日
- 読了日 : 2015年12月10日
- 本棚登録日 : 2015年12月10日
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