イオカステの揺籃 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2022年9月8日発売)
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本棚登録 : 397
感想 : 59
4

青川英樹32歳は大阪で建築家として活躍しています。
妻の美沙とは結婚したばかりです。

英樹には妹の玲子25歳と、2歳の時に亡くなった弟の和宏がいました。
玲子には同棲中の恋人で鍵屋の完がいます。
父の青川誠一はとても美しくバラ婦人と呼ばれる妻の恭子がいますが、会社の部下の23歳年下の悠乃と不倫をしています。

そして美沙が男の子を妊娠して切迫流産の危機に陥ったとき、恭子が度の過ぎた過干渉で、美沙はノイローゼになります。
そのあとは、ひたすら怖い恭子のまだ産まれない初孫の男の子に対する濃厚すぎる溺愛ぶりが描かれ、美沙は離婚を考えます。

バラ婦人のバラの描写も凄いです。
バラのお菓子に、バラのお茶、むせかえるようなバラの香り。バラの匂いがしただけで吐きそうになる美沙の気持ちがよくわかります。

玲子の恋人の完ちゃんはネグレクトで育ちましたが、性格が温かく、唯一のなごみでした。

母の恭子も少女時代を、これ以上ないほどの毒親の元で送った不遇な過去がありますが、最後まで恭子の呪縛は消えません。


濃厚で、とても淋しい話だと思い、それでも涙しました。
でも読んでいて、凄く疲弊する作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年10月4日
読了日 : 2022年10月4日
本棚登録日 : 2022年8月25日

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コメント 4件

くるたんさんのコメント
2022/10/04

まことさん♪こんばんは。
私も読みましたよ〜、すごかったですね、薔薇尽くしのおもてなし。
恭子の生い立ちには言葉が出ませんでした。
せつなさもあったけど、ラストの展開といい、モヤモヤしました。

まことさんのコメント
2022/10/04

くるたんさん。こんばんは♪
やっぱり、読まれていましたか。
そろそろじゃないか、と思っていました。(*^^*)
バラづくしは、鼻がおかしくならないのかなぁ。と思いました。
恭子の、お母さん凄かったですね。
ラストの展開は、なんか、恭子がいい人みたくなってしまいましたよね。
ところで、宇佐美まことさんは、読まれていませんか、私は今、読み始めましたが、なんか、難しい。

くるたんさんのコメント
2022/10/04

まことさん♪そうそう、結局、恭子は完璧な母として家族を呪縛したのかな、って^^;

宇佐美さん!今日借りてきましたよ。
漢字すごいですね、ファンタジーなのかな、早くも読める自信がなくなってきました^^;

まことさんのコメント
2022/10/04

くるたんさん♪

私も宇佐美さん、読むのやめようかと思ったけど、せっかく予約1番だったし、もったいないから、読んでますが、レビュー書けるのかな~。

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