青川英樹32歳は大阪で建築家として活躍しています。
妻の美沙とは結婚したばかりです。
英樹には妹の玲子25歳と、2歳の時に亡くなった弟の和宏がいました。
玲子には同棲中の恋人で鍵屋の完がいます。
父の青川誠一はとても美しくバラ婦人と呼ばれる妻の恭子がいますが、会社の部下の23歳年下の悠乃と不倫をしています。
そして美沙が男の子を妊娠して切迫流産の危機に陥ったとき、恭子が度の過ぎた過干渉で、美沙はノイローゼになります。
そのあとは、ひたすら怖い恭子のまだ産まれない初孫の男の子に対する濃厚すぎる溺愛ぶりが描かれ、美沙は離婚を考えます。
バラ婦人のバラの描写も凄いです。
バラのお菓子に、バラのお茶、むせかえるようなバラの香り。バラの匂いがしただけで吐きそうになる美沙の気持ちがよくわかります。
玲子の恋人の完ちゃんはネグレクトで育ちましたが、性格が温かく、唯一のなごみでした。
母の恭子も少女時代を、これ以上ないほどの毒親の元で送った不遇な過去がありますが、最後まで恭子の呪縛は消えません。
濃厚で、とても淋しい話だと思い、それでも涙しました。
でも読んでいて、凄く疲弊する作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年10月4日
- 読了日 : 2022年10月4日
- 本棚登録日 : 2022年8月25日
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コメント 4件
くるたんさんのコメント
2022/10/04
まことさんのコメント
2022/10/04
くるたんさんのコメント
2022/10/04
まことさんのコメント
2022/10/04