ミカエルの鼓動

著者 :
  • 文藝春秋 (2021年10月7日発売)
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本棚登録 : 2650
感想 : 287
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柚月裕子さんの467ページにわたる医療ミステリーの力作です。
私は柚月さんのファンですが、この作品は私的には「うーん」でした。
手術のシーンの描写はどれだけ勉強したのだろうという凄いものでしたが、エンタメ的な面白さは前作の『盤上の向日葵』『検事の佐方』シリーズなどと比べるといまいちと思いました。ミステリー的な要素が弱いと思います。

ストーリーは北海道中央大学病院に勤務する、心臓外科医でミカエルというロボットを操作して手術をする西條とミュンヘンから帰ってきた心臓外科医で自分の腕一本で手術をする真木が12歳の患者白石航の手術をどちらがやるのかの判断をします。
ミカエルにはとある噂話があり西條は考え抜いた末、最善と思われる判断をしますが…。


この作品、描写が細かいのですが、ストーリーはそんなに複雑ではないので、これ以上書くと最後まで書いてしまうのでやめておきます。

そのかわり、作者の柚月裕子さんについて知っている逸話を書きます。
4,5日前にやはり柚月さんの経歴をレビューに書かれているブク友さんがいらっしゃいました。
その中に柚月さんが小説の市民講座を受講されていましたと書かれていましたが、私も同じ講座を受講及び運営のお手伝いをやっていました。
今ではもちろん柚月さんを応援する地元のファンの一人でもあります。

私は講座創設直後からのメンバーだったのですが、柚月さんは私が講座を一旦、止める直前に入って来られました。(一旦止めて、再受講しました)
第一印象は「孤高の人」。受講生の誰かとつるむことはせずにいつも、講座のゲストの作家の先生と話されていた記憶があります。(講座のゲストは月替わりです)

柚月さんが講座に作品を提出されたのは私が止めてからなので、残念ながら私は柚月さんの習作は拝読していません。東京からやってきた作家の先生に「この人は化けるかもしれないよ」と言われたという話は有名です。

柚月さんは「このミス」で『臨床真理』という作品で大賞を受賞してデビューされます。
講座のコーディネーターの文芸評論家の池上冬樹先生によると「水臭い。書いてること言ってくれなかった」という話です。池上先生は応募作もみてくださるのですが、柚月さんは一人で応募されたらしいです。

柚月さんはとにかく経験がないので何でもとことん調べて書かれるとおっしゃっていました。

柚月さんは地元では一番の人気作家で(講座からは他にもかなりの人数がデビューされてはいますが)講演会やら地元のテレビ出演やら、持ち前の美貌と話力が凄いです。

講座にいたとき、私は受講生の連絡係をやっていたので、柚月さんとメール交換はしたことがありますが、一対一で話した記憶がありません。人数は当時30名程だったのに。

だからこちらは一方的に柚月さんを知っていますが、柚月さんは私のことは記憶にないのではと思います。

蛇足になりますが、私は小説を書きたいと思ったことは一度もなく書いたこともありません。講座にはあくまで知識欲と友達作りのために通っていました。

私が通っていた頃は、講座のことはネット流出厳禁と訊いていましたが、最近解禁になったようなので書いてみました。(でも、あんまり知る人ぞ知るの情報がなくてつまらなかったかもしれないですね。ごめんなさい(__))あまり噂話が過ぎるのも何なのでこの辺で…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年11月15日
読了日 : 2021年11月15日
本棚登録日 : 2021年9月26日

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コメント 2件

くるたんさんのコメント
2021/12/01

まことさん♪こんばんは♪

以前、面識があるって言われていたのはこの事だったんですね♪
そういう講座に参加される意欲、素敵です¨̮♡

この作品は購入して積んでますが、気合い入りそうですね。
読みたい欲が訪れたら読もう!
ありがとうございます♡

まことさんのコメント
2021/12/01

くるたんさん。
そうです。
この事でした。
だから、このレビューは、一番、くるたんさんに読んで欲しかったので、読んで頂けてよかったです。(前に言ったことの、説明として)
買われたのですね!
楽しんでください。

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