avec totoさんと湖永さんのレビューで読みたくなった本です。素敵なレビューをありがとうございます。
初読みの作家さんです。
トップ屋の阿久津哲也45歳は事情があって妻の仁美と息子の哲が小学校5年生の時に別れました。
阿久津は哲の高校の卒業式に出席することになり、初めて別れた家族と再会し哲の高校の校長の真壁純のスピーチを聴きます。
真壁のスピーチには人を引き付ける力があり、阿久津もスピーチが非常に気に入って、真壁に取材をして話を聴くことになります。
真壁は1967年生まれで東京の大田区で生まれています。今は妻と小学生の娘がいます。
阿久津はなぜ東京生まれの真壁が北海道の中学を出て、沼津の高校に入ったのか不思議に思っていました。
大学は東京です。
そして真壁の話を聴くと真壁は生まれたときから両親のいない子どもだったことがわかります。
以下、軽くネタバレしているので、これから読まれる方はお気をつけください。
真壁は両親が二人一緒に交通事故で亡くなった日に帝王切開で一人、生き残った子どもだったのです。
真壁は父方の祖母の家に引き取られ北海道の伯父の家で従兄とともに育てられました。
そして、真壁は中学で、東京から転校してきた美しい少女水島明子と出会います。
真壁は明子を好きになりますが、言い出せず明子の方から誘ってデートの約束を中学二年のクリスマスイブにします。しかしデートをした後すぐに祖母が亡くなり伯父に家を出て母方の祖母のいる沼津の叔母の家に行くように言われます。
そして、沼津で、真壁と明子の文通が始まります。
明子の明るくしっかりした性格と真壁のとても純粋なところが人を惹きつける恋だと思いました。
明子が他の男子高校生と付き合っているのではないかと気が気ではない真壁。真壁の方も彼女ができてしまいます。
でも、大学に入学してから北海道で真壁は明子と6年の時を経て再会することができます。
そして、真壁は明子の本当の気持ちを知ることができます。
最後は大きな悲しみがありますが、ハッピーエンドであると私は思いました。
- 感想投稿日 : 2023年7月7日
- 読了日 : 2023年7月7日
- 本棚登録日 : 2023年6月1日
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