大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2015年8月5日発売)
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感想 : 428
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連作短編集で、章ごとに同じスポーツジムに集まる会社員や、漫画家、高校生、歯科医師、会社社長、スナックのママなどに主人公が変わります。

私は、第六章のスナックのママでゲイのゴンママの章が泣けました。
いつも下ネタと、大きな体格で人を笑わせているゴンママですが、「ノンケの人たちとゲイとでは、恋人を作れる確率がまるで違う。マイノリティ同士は出会いの確率が極端に低く、相手の選択肢も極端に少ない。しかもゲイは仮に誰かと愛し合えたとしても、その結果として、愛する人の子どもをもうけることもできない。つまりノンケの人よりずっとずっと、独りぼっちで一生を終える確率が高いのだ。
これから先もずっと冷たい孤独を胸に抱いたまま、この世から消えてなくなっていく自分ーそのことを思うと、権田は息苦しささえ覚えてしまう」
表面上の顔と内面の違いに、権田の淋しさがより強く感じられました。
権田の所で働いているカオリちゃんは、とてもかわいいのですがレズで、やっぱり独り身です。せつないなと思いました。
権田に救われて、店に雇ってもらったカオリちゃんが、逆にゴンママを励ますようになるところがよかったです。


森沢語録
「言葉というのは、大事なことほど小声でささやく。その方が、相手の心の奥にまでしっかり届く」
「人生に大切なのは、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことにたいして、自分が何をするか。考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできる。ピンチはチャンス」
「人は人に喜ばれるために生まれてくる」
「他人は変えられない。変えられるのは自分自身」
「あなたが生きられるのは、いまこの瞬間だけ。過去と未来を思い煩っても、それは無駄なだけ」
「夢は必ず叶えられないと駄目。叶えると過去が変わる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年1月5日
読了日 : 2021年1月5日
本棚登録日 : 2020年12月23日

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