レビューを拝見して知った本です。
確かな読み応えのある一冊でした。
文句なしの星5つ。
明治生まれの琴岡庄治と神田の古本屋街の書店主たちとの物語。神保町の「本の街」としての歴史が引き起こした事件。
昭和21年(1946年)8月15日の1年後、古典籍(維新以前の和綴じの本)を扱う琴岡玄武道の店主、琴岡庄治は若い頃、立声堂という古書店で一緒に働いていた弟分の三輪芳松が、本の下敷きになって倉庫で亡くなっているのが発見され、不信感を覚えます。芳松の妻タカが姿を消し、犯人かと疑われますが、タカは「ひとりで犯人をみつけるつもりだった」と庄治に告白した後、タカもまた、自殺にみせかけて殺されてしまいます。
そして、庄治はGHQのファイファー少佐にとある事を要求され苦悩しながら日本の歴史の為に戦おうと心の中で一人決意します。妻と四人の子供のたちの身の安全の為に、GHQの狗となり、日本の歴史を売らなければならなかった庄治の苦悩は計り知れないものがありました。
でも庄治は負けなかった。事情は、反転につぐ反転で、真相が明らかになります。芳松の死の真相も解き明かします。
「定価のない本」日本の歴史は確かに守られました。
庄治や古書店主らの働きは、すばらしい叡智のある賞賛されるべきものでした。
作家の太宰治も、鍵を握る人物として登場しています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
門井慶喜 小説
- 感想投稿日 : 2019年11月3日
- 読了日 : 2019年11月3日
- 本棚登録日 : 2019年10月26日
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コメント 4件
やまさんのコメント
2019/11/03
まことさんのコメント
2019/11/03
やまさんのコメント
2019/11/03
まことさんのコメント
2019/11/03