「女たちよ!」より読みやすかったです。
伊丹節炸裂。この時代の雰囲気が伝わってきます。
浮気論のところの「たとえば、自分自身と粗雑にしかつきあってない人というのは、必ず他人とも粗雑につきあってると思うわけ。あるいはまた、浮気相手とは粗雑なつきあい、女房とのは特別製の全然違う深いつきあい、なんてそんなことできるわけないんだよ。浮気してる罪悪感を、でも、女房を愛してるからというので、帳消しにしようとしてるのかもしれんし、愛してるんだという建前にさえしておけば、女房を傷つけてる自分を自分でゆるす口実にもなる。こんなのは愛でもなんでもないわけで、要するに、私が言いたいのは、自分とどこまで深くつきあうか、自分自身のペテンにかからないということで、つまり自分自身と深くつきあうことだけが、他人を愛する道へつながるんじゃないかということね」
というところになるほどーと思いました。説得力がありますね。何をもって浮気とするかは人それぞれだし、簡単に愛してるなんて言っても愛するの定義もよくわからないけど、自分自身との付き合いかたが他人との付き合いかたに出るのはわかるような気がしました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年6月6日
- 読了日 : 2021年6月6日
- 本棚登録日 : 2021年6月6日
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