自分というアイデンティティ、自分と他者とを区別しているもの、自分が社会生活を営むために必要としているもの。
それは、名前だったり、肩書きだったり、影であったり、家であったりする。
それらをなくしたとき、自分は自分といえるのか、社会に存在し続けることはできるのか。
壁は、社会生活に疲弊した自己を確立するためにも必要であるけれど、またその壁によって社会から隔てられ、拒絶され、隔離されたりもする。
ちょっとしたファンタジーやブラックジョークに富んだ揶揄、メタ的な表現もありつつ、深い洞察を必要とする、味わい深い物語でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年8月27日
- 読了日 : 2023年8月27日
- 本棚登録日 : 2023年8月17日
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