天使の傷痕 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1976年5月26日発売)
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本棚登録 : 208
感想 : 33
4

江戸川乱歩賞受賞作です~。
推理小説の大御所・西村京太郎よ~。
2時間サスペンスの巨匠・西村京太郎よ~。
初めて読んだわ。
1976年の初版なのに、面白く読ませてもらいました~。

ストーリーは、
カップルがデート中に殺人事件に遭遇して、被害者は「テン。。」という言葉を残して息を引き取った。
被害者の身辺を洗ううちに、どんなに悪い奴だかわかってきて、事件の背景には意外な事実が隠されていた~。

ストーリーの四分の三は至って普通の推理ものみたいなんだけど、
大詰めになって、その背景には『アルドリン』という睡眠薬によって生れた奇形児の可哀想な事実が浮き彫りになってくるのです~。
これって、いわゆる『サリドマイド』のことだよね~。
私が生れて前後して『サリドマイド児』が社会問題になったのを、かすかに覚えています。
それに伴うサリドマイド被害の背景は、社会にはとても厳しくて読んでて悲しくなっていく。。。

主人公のGFが犯人だったんだけど、
それはサリドマイド児を生んだお姉さんを庇うためで、そのお姉さんの置かれた立場や家族、生活などのため、結局はGFが罪を負うような終わり方になってるのがむなしいです。

なんだかね~、さすが江戸川乱歩賞って感じで重みのある本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 ミステリー
感想投稿日 : 2012年11月26日
読了日 : 2009年4月19日
本棚登録日 : 2012年11月26日

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