家と大学を往復する間にさらりと読めました。
ナオコーラさんって「年上の人」を魅力的に描くの上手だなあと思う
子どもの頃って(今も子どもやけど)30歳の人は「30歳の中身」を、
50歳の人は「50歳の中身」を兼ね備えていると思ってたけど
そんなわけないよね。機械じゃないもの、人間だもの。 ←
カツラさんははじめ寡黙で落ち着いていて、
エリちゃんと桃井さんを見守るすっごくダンディーな店主!
と思ってたけどそうじゃない。
淳之助とエリは恋愛関係になる!
と思ってたけど特にならない。
取り立てて大事件は起こらず、皆わりと淡泊(?)なように感じられるけど
それこそ「なにも見えていない」証拠なんやなー。
周囲の人たちによって形を保っている、周りとの関係が一切なくなったら
俺はジェル状になる、みたいな淳之助のせりふがあって
なるほどー、と思った。
一人でいるのと、一人になるのは違うってことですね。
(『NANA』の中で、ヤスも言ってた! 笑)
淳之助とエリの関係があるからこそ、説得力のあったこの言葉。
――― 男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。
ある意味で、友情って恋愛よりむずかしかったりして。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
山崎 ナオコーラ
- 感想投稿日 : 2010年3月9日
- 読了日 : 2010年3月9日
- 本棚登録日 : 2010年3月9日
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