ネット大国中国――言論をめぐる攻防 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年4月21日発売)
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感想 : 25
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2013 12/30読了。借りた本。
グレート・ファイア・ウォール内の中国におけるネット利用の状況・・・特に4億数千万のネット利用者の中には1980年代、1990年代生まれの若者が多いこと、彼らの持つ権利意識とそれに基づく行動がネットによって拡散されやすいことが社会にどう影響しているかと、一方でどういうラインの書き込みは共産党当局に規制されるのか等を書いている。

・国家体制転覆につながるような、西洋的な民主化を求めることにつながる動きは即削除、逮捕の対象
 ⇔・地方政府の腐敗への反発など、現在の枠を維持した上での問題の指摘や権利の主張は実際の改革・改善や腐敗当事者の処分につながっていたりもする。県レベルの役人が特にネットを恐れる

・結論としても、共産党体制は現状それに代わるものがないので存続するだろうとしつつ(体制転覆するような民主革命は起こらないとしつつ)、現体制内でのネットを介した民主化・・・人々の意見が政府に反映される形態に変わっていくのでは、という落とし所

・中国内のネットの規制ってどんな感じなのか+それでも大きな影響力を社会に持っている点が面白い
 ⇔・出てくる事例が21世紀の大国の話とは思えないエグさ・・・なんなん、幼児誘拐⇒人身売買⇒闇レンガ工場で強制労働、って。「闇レンガ工場」の時点で予想の斜め上に行っている・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 批評・ノンフィクション
感想投稿日 : 2013年12月30日
読了日 : 2013年12月30日
本棚登録日 : 2013年12月30日

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