ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大とも言えるのが、人種のるつぼとも言えるアメリカで自分が「黒人」であるということを発見していくことだった。やがてイフェメルは「非アメリカ系」黒人として、自分の思いをブログに綴っていく。オビンゼとの関係も断絶し、恋人もでき、順風満帆に見えた時、イフェメルは突然恋人を捨てナイジェリアに帰る決意をする。昔の恋人オビンゼに会うために…。
本作は全米批評家協会賞を受賞したアディーチェ作の恋愛小説。ただ、これを恋愛だけで終わらせないのが、アメリカの内部に潜む人種問題に鋭く切り込んだ一冊であるからだろう。
恋愛小説として読んでも勿論面白いし、現代アメリカの文化批判として読んでも面白い。良作だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月12日
- 読了日 : 2024年4月12日
- 本棚登録日 : 2024年4月12日
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