再読。
臨時の理科教師として各地を赴任していく紺野先生と生徒たちとの交流や不思議な体験が淡々と描かれる。
印象的なのは、四季折々の美しい叙景。雨の初秋の山歩きや海辺の町の秋の夕暮れと星空、山間の村の冬の青空、寝台列車の春の宵、渓谷の斜面にそって建つ宿の夏…どれもその場に居合わせているかのような風光明媚な映像が鮮明に脳裏に広がって、清涼な気持ちでゆったりした時間にしばし身を委ねた。
一期一会で忘れられない教えを受ける生徒たちも羨ましいが、様々な土地が見せる眩い情景を心にしまっていく紺野先生が羨ましくて仕方ない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SFファンタジー
- 感想投稿日 : 2020年5月9日
- 読了日 : 2020年5月9日
- 本棚登録日 : 2020年5月9日
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